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3月20日(月)〜3月27日(金)
今週は台東区浅草のクラシックカメラ専門店「早田カメラ店」店主の早田清さんを訪ねました。
最近では “写真を撮る” といえばデジカメが多いですよね。
携帯電話にも付いていますし、その場で写りを確認できるので便利ですよね。
こんな便利なものがあるのに、クラシックカメラを趣味にしている方が、たくさんいらっしゃいます。クラシックカメラとは1960年以前に生産されたもので、フィルムの巻き上げや露出調整などに電池を使っていないものです。世界中に6500種類ほどあるそうです。早田カメラ店では、仕入れたクラシックカメラを全てキチンと写せるようにオーバーホールして販売しています。
店内に陳列されている物が約500台。2〜3万円台から1000万を超えるものもあるそうですが、値段に関わらず、クラシックカメラには今のカメラにはない魅力があるといいます。
「カメラ買うでしょ、カメラは道具ですから使うと結果が出るんですよね。1960年以前のカメラは写す腕が良くないとチャンと写りません。昔は近所にカメラを持ってるおじさんがいて、写真撮ってもらうと写真を見て “腕がいいね” っていったものです。今のカメラは写りが悪かったら、間違いなくカメラが壊れてるんですよ。人じゃなくてカメラが写してるんだから。そこが違うんですよ。まぁ、写真撮らないでカメラだけ集めてる人も多いですけどね。でも他人のことを悪く言えないんですよ。大体、クラシックカメラ屋って、カメラが好きで好きでたまらなくて、自分の好きなカメラを他人にも見せたいということから始まった商売ですよ。持ってる数が増えすぎて、誰かに売りたくなったのがクラシックカメラ屋の始まり。ほとんどのクラシックカメラ屋のオヤジは、ただのカメラ好きのオヤジなんです。お客さんには “故障していてもいい” という人と “キチンと写らなきゃダメ” という人がいるんですけど、今、東京でチャンと写るカメラしか置いていないクラシックカメラ店はうちだけですね」
昔のカメラは、“故障は折り込み済み” で設計されていたそうです。その時代の「加工技術の限界」や「材料の強度の限界」ということですね。ですから、修理の技術と交換部品があれば、修理しながら半永久的に使っていけるわけです。
早田さんがこれまでに修理をマスターしたのは6500種類のうちの4600種。一年のうち2ヶ月間を、ロンドン・パリ・ミュンヘンへ出かけ、クラシックカメラのオークションに参加し、稀少品の入手と部品取りカメラを確保しています。
「最近ね、若い人が来て “古いカメラ使ってみたいんですけど、どんなのがいいんですか?” なんてよく訊くんだよね。何でも丁寧に全部教えちゃいますよ。うれしいもの。そんな時は “見てください” っていうの。一番いいのは見た感じ、第一印象、カッコウなんです。クラシックカメラはどれでも条件は一緒。全部難しいの。簡単なカメラは無いんです。好きなのを買えばいいんですよ。その後は全部教えてあげますよ。例えばね、古いカメラって操作をする順序があるんです。今のカメラみたいな扱いすると簡単に壊れちゃう。順序を知らないでいじると壊れますよ。扱い方を訊きに来るだけでも有り難いですよ。 “現存してるのが奇跡” みたいなカメラもあるから、歴史的文化遺産だと思って、みんなで共有しているんだと思って、大事に優しく扱ってもらいたいですよ。」
お話をうかがっている間、ず〜っとニコニコしっぱなしの早田さんでした。
本当にカメラがお好きなんですね。
早田カメラ店 http://www.hayatacamera.co.jp/services/hayata.html
電話番号 03−3841−5824
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