4月25日(月)〜29日(金)
東京メトロ千代田線「千駄木」駅から歩いて2分ほど、台東区谷中3丁目にある穴子寿司の名店「乃池」のご主人 御年79才 野口哲彦さんを訪ねました。
「昭和25年日本橋の寿司店で修行をはじめて、昭和40年にこの場所に独立して開業したんだがね、なんとか商売を成りたたせなきゃならないと思ったからね、この寺町を選んだというのもあるわね。法事や墓参りで寿司の出前があるからね。それから、帰りがけにお土産を持って帰るわねぇ。そんなわけで、生ものじゃなくて持って帰れる「穴子寿司」が名物になったってわけなんだね。」
「日本橋(のお店)の時は、9割が掛け売り(会社のつけ)の客だったんだね。高くても旨いものだしときゃ良かったんだ。谷中の客は身銭を切ってたべるわね。でも、大手町だ丸の内だって都心へ通ってるから美味いものを知ってるんだね。ここじゃ、身銭で食べられる美味いモノを出さないと商売にならない。そこで、うちの店ならではの、他にはない味を作り上げたみたいなところもあるね。」
「場所がどうだとか、客がどうだとかいってても、仕方ないやねぇ。場所に合わせた商売のやり方ってもんを工夫して、客に金を出してもらえる物をだす。努力が必要だね。」
名代穴子すし「乃池」 台東区谷中3−2−3 TEL03(3821)3922
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寿司をにぎって五十五年 野池幸三さん
ふわっととろけるような穴子寿司
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