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3月6日(月)〜3月10日(金)
今週は文京区湯島の江戸唐紙職人・小泉幸雄さんを訪ねました。
小泉さんの先祖・小泉七五郎さんが、八重洲に「唐紙屋・唐七」を創業したのは幕末の頃。5代目の幸雄さんは、昭和22年生まれの58才。
お父様と2人の息子さんと一緒に、唐紙作りに取り組んでいらっしゃいます。
唐紙は平安時代に “中国から伝わってきた模様入りの紙” を真似て、日本で “和紙に色柄をつけたもの” で、主に襖や屏風に使われます。
武家や町人の好みを反映した作風と独自の技法を用いた「江戸唐紙」は、東京都伝統工芸品の指定を受けて、現在では10数軒の職人に守られ受け継がれています。
版木で刷ったり、型紙で染めたり、箔を押したり、砂子をまいたり、雲母の粉を塗ったり、繊細な美しさにあふれた工芸品です。
波、雲、花、幾何学模様。武家屋敷のような柄もあれば、茶室やお寺のような柄もあります。「享保千型」といって、享保年間にはそれこそ千種類ほどの柄があったんだそうです。しかし、関東大震災や東京大空襲で、ほとんどの版木が消失してしまい、戦後復刻は試みられたものの、そこで絶えてしまった柄も多いんだそうです。ちなみに、伝統的な江戸唐紙の大きさは 九寸六分×一尺五寸五分(およそ30センチ×45センチ)襖一枚貼るのに12枚必要です。
(一枚でベロ〜ンと貼ると思ってたでしょ〜?!)
唐紙職人には、模様のつなぎ目をきちんと合わせて摺る腕が必要で、それを貼る表具師には、模様を合わせてスッキリ貼り上げる腕が必要なんですね。
復元が進められている長崎・「出島」。復元されたオランダ人屋敷の壁に貼られた唐紙は小泉さんの仕事です。お出かけになった時ご覧下さい。実際にものを見ると、その美しさに目を奪われます。
最近では、唐紙のレターセットがあったりランプシェードがあったり、襖以外にも使い道が広がっているようです。小泉さんのところでは販売は行っていませんが、日本橋三越本店・五階にある紙製品店「東京松屋」さんで扱っているそうです。機会があったら ぜひ、のぞいてみてください。
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