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10月31日(月)〜11月4日(金)
今週は銅製品を作る職人さんです。創業大正13年、台東区浅草4丁目「星野銅銀銅器店(ほしのどうぎんどうきてん)」3代目の星野保(ほしの・たもつ)さんを訪ねてお話を伺ってきました。初代(保さんのお祖父さん)銀治郎さんが独立して開いたお店の屋号が「銅壺屋の銀ちゃん」で「銅銀」。銅器屋さんか銀器屋さんか分かりづらいということで、後ろに「銅器店」とついているわけです。昔、銅製品屋さんは「銅壺(どうこ)屋さん」と呼ばれていたそうです。「銅壺」とは、時代劇に登場する長火鉢の中に置いてお湯を沸かしたり、熱燗をつけるときに使う道具です。昔は銅製品屋さんの主力商品でした。
金属製品を作るには、溶かした金属を鋳型に流し込んで形づくる鋳造と、金属の板や塊をうち伸ばして形作る鍛造(たんぞう)とがありますが、銅製品を作るのは鍛造の仕事です。現在、星野さんが作っているのは「鍋」や「ヤカン」「花瓶」や「茶器」などが主ですが、注文があれば火鉢の内側にいれる「おとし」や「銅壺」も作るそうです。
作る品物にあわせて、1o〜3oの銅の板を切りだして、真っ平らの銅板を叩いて叩いて、円いお鍋やヤカンに仕上げていきます。ヤカン等はパーツごとに形作って、溶かしたスズでつなぎ合わせる「ろうづけ」という技法で組み合わせます。
銅の板を叩いて鍋の形にするだけならば、全くの素人でもなんとか形にはなるそうですが、叩き方にムラがあると部分的に薄くなったり厚くなったりしてしまいます。
見た目にも美しくないとダメですし・・・。
「小さいのと大きいの、作るのはどっちが難しいですか?」とうかがったところ…
「大きい物が難しい。刀鍛冶のように、“打つ人”と“板をずらす人”二人がかりの仕事になる、その呼吸を合わせるのが難しい」とのこと。
銅の調理器具は熱が均一に伝わるので、煮物や焼き物などの調理には最適の道具なんだそうです。
星野さんのところの売れ筋商品ベスト3は
@天ぷら鍋
A卵焼き
Bゆきひら鍋 ほかに、アイスコーヒーのカップ、急須、花器、手あぶり火鉢など
いっとき(20年ほど前)、銅製品のブームがありまして、結婚式の引き出物などに盛んに使われたそうですが、そのころ流行ったものがあまり質のいいものではなくて、銅製品の評判が落ちてしまったそうです。
いい銅製品の見分け方は
●ある程度の(重さ)板の厚さがあること
●持ち手がシッカリ止められている物(3本鋲よりは5本鋲がいい)
●内側の錫メッキがシッカリしているもの(これは見分けが難しい)
機械で作った手作り風の銅製品も多く、機械づくりのものは鱗状の模様が揃いすぎている。逆に手仕事の物は、機械づくりのような整った模様を目指して作っているが、微妙にずれている。一番分かりやすいのは、持ち手の付け方だそうです。
銅製品というと、その見た目の色は「ピンクっぽい赤」。それだけかと思っていたら、実際は色んな色の銅製品がたくさんあるんですね。膜をつけたり漆を塗って焼き付けたり、手の込んだ仕上げの銅製品があり、美術工芸品的な美しさがあります。
星野銅銀銅器店では、2代目の昇さんも、まだまだお元気で保さんと一緒にお仕事をされています。御年80才だそうですが、背筋がピンと伸びて、どう見ても60代にしかみえません。初代の技を継ぐ昇さんと銀器仕上げの技を銅器作りに活かす保さん。
つくりのいい、一生ものの銅製品が欲しいという方、星野銅銀銅器店をのぞいてみてください。
星野銅銀銅器店 http://www.dougin.jp/
東京都台東区浅草 4-22-10
電話番号 03−3872−7328
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