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11月28日(月)〜12月2日(金)
今週は葛飾区の江戸木彫刻師・福島政山さんを訪ねました。
江戸木彫刻は6世紀に仏教とともに伝わった「仏像製作」の技を土台にして、江戸時代に “神社やお寺の装飾彫刻” や “木製の調度品の彫刻” として発達した技です。神社・お寺の彫刻、日本建築の欄間、御神輿の彫刻などが代表的な仕事です。早い話が左甚五郎の世界ですね。
福島さんは昭和12年・東京青梅市生まれ。
中学校の美術の時間に展覧会に出品した作品が入賞したのがキッカケとなり、御輿・太鼓製作の老舗「宮本卯之助商店」の紹介で御輿彫刻師・西田光次親方へ15才で弟子入り。
「修業時代は、朝8時から夜9時まで仕事、休みは1日と15日。それが普通だったから。酒も飲まなかったし、遊びも知らなかったから、暇な時は下絵の練習をしたり、あとは、柴又帝釈天の木彫刻をよく見学しにいっていたね。」
西田親方は大変仕事に厳しかったそうですが、「そのころ厳しく仕込まれたことと、いい仕事・難しい仕事を次から次に与えられたから、今こうしてやっていられるんだね」と福島さんはおっしゃっていました。
今まで、神社やお寺に行っても、おみくじ引いたりお願い事して終わりでしたが、これからは木彫刻も気にとめて眺めてみようかな、とそんな気持ちになりました。
「柴又帝釈天は日光東照宮の次ぐらいに素晴らしいよ、よく見てみるといい。あとは、西東京市の田無神社の本殿。これはスゴイ。たいしたものんだよ」
写真を見せていただきましたが、田無神社本殿は江戸の名工、嶋村俊表によって造られた総欅造のもので、隅々にまで繊細な彫り物が施されています。普段は公開されていませんが、事前に電話でお願いすると見せていただける事もあるそうです。
ここ最近福島さんはとてもお忙しいようです。大作に取り組んでいる真っ最中。成田山新勝寺では、開基1070年祭記念事業として平成20年完成予定で総門が建立されています。この総門の柱に、江戸木彫刻を代表する3人の木彫刻師が製作した獅子頭が16体取り付けられます。その3人の一人が福島さん。工房にお邪魔したときには、担当する3体目の獅子頭用の巨大な欅の木が運び込まれていました。総門の完成は平成20年ですが、完成したもののうちの1体は成田山に展示されているそうですので、お出かけの際はぜひご覧下さい。
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