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10月3日(月)〜10月7日(金)
今週は「手造りおろし金職人」大矢昭夫さんを訪ねてお話を伺いました。
大正時代に大矢さんのお父さんが浅草に開いた工房は、東京大空襲で消失。戦後は池袋に移り再開。アルミやプラスチックのおろし金が主流になっている今でも、昔から変わらない手法で“手作りのおろし金”を作り続けています。
大矢さんが作るおろし金は羽子板のような形です。家庭によくあるおろし金と比べてみますと、下の部分の凹みがないんですね。両面に目が立ててあり、片面は大根用、片面は山葵用といった具合に、使うひとによって使い分けられるようになっています。
伺った話では、江戸時代のおろし金の用途は、主に山葵で、呼び名も「わさびおろし」といったそうです。明治になって大根が品種改良され、今のような辛くない大根が作られたことから、食材としての大根おろしがポピュラーになり、次第に「わさびおろし」が「大根おろし」と呼ばれるようになった…ということなんです。
同じ大根を使っても、おろし方ひとつで味はまったく変わってしまいます。 美味しい大根おろしは、甘みがあり、ふんわりとしていて、それでいてシャキッといしていて、「あわ雪を食するような…」といわれるようです。
このあわ雪のような大根おろしを作るには“いいおろし金”を使うこと。大根をすり潰すのではなく“おろす”。おろすというのは“究極のみじん切り”みたいなものだそうです。あまり力を掛けなくても 食材がおろされて、水分が分離しないんですね。良くないおろし金だと、次第に目が詰まり、段々力が入ってきて、すりつぶしになって水っぽくなってしまうんだそうです。
実は、大矢さんのおろし金には、目が詰まりにくい秘密があります。機械製は刃の形が揃い過ぎていて刃の筋が出来ておろしにくくなってしまうんです。手づくりの刃先は、見た目には均一に並んでいるようですが、目がすこしずらして付けてあるので、何回往復させても筋が出きず楽におろせる、ということなんです。
結婚式が多いホテルなどでは、一日にトラック一杯の大根おろしを作ることもあるそうですが、やっぱり機械でおろすと美味しくないので、大矢さんのおろし金を使っているそうです。主にプロ用のおろし金を作る大矢さん。最近では家庭でも使いやい「おろしの下に箱がついた おろし金」なども作っています。
プロが使って10年ごとに目を立て直して50年使えます。
大矢製作所 http://www.amoju.com/htmls/oroshi/
電話番号 048−464−3705
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