4月11日(月)〜15日(金)
今週は谷中の棟梁・一級建築士 菊池芳明さん(71才)を訪ねました。
俺のこと聞いて何すんの?まぁいいや、聞かれたことに答えりゃいいんだよね。俺、3代目。大工になって55年かな。
家を作るには色んな職人の手が入るわけ。左官、鳶、瓦、塗り、配管、配線、、、、、。その全体をまとめるのが“棟梁”ってぇ仕事だね。
俺の仕事?「気を使って、木を使うんだよ」 わかんない?簡単に言やぁ、シッカリとした日本家屋を建てるってことだね。
木の家作るってのは難しいよ。やりがいもあるけどさ。30過ぎた頃、「これからは資格時代」なんていわれてたから、、一級建築士の資格とったんだけどね。一級もってるからって、木造建てられるもんじゃないしね。昔の大工にゃかなわねえな。木を使いきれないんだよね。わかんないか?
まだ修行途中だよ、いくらやっても勉強だよね。いくらやっても千年以上前の大工にかなわねぇんだからね。使う木にもよるけどさ、木造建築は千年以上持つんだよ。
ちゃんと建てる腕があればね。もちろん修理しながらさ、、、ちゃんと修理する腕があればね。法隆寺は建ってから1350年だよ。
俺には谷中の五重塔を再建したいって夢があってさ、俺の代でダメでも倅の代ならと思ってさ、ちょっとご縁があって倅を法隆寺の西岡棟梁のところへ弟子入りさせていたんだけど。西岡棟梁は日本一の大工だからね。
この後、1時間半に渡って「木の魅力」「昔の大工の技」について話をうかがいました。
「千年前の大工と張り合うような仕事がしたい」「未来の大工に笑われない仕事がしたい」 。71才の棟梁が語る木造建築への熱い思い。2時間の取 材では聞き足りませんでした。「気を使って、木を使う」 深い!深すぎます!!
(森まゆみさんは、あらゆる分野に造詣が深いのでビックリ!置いていかないで〜!)
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「大工になって、まだ55年だからねぇ」
・・・だそうです。
「おねぇちゃん、ノミで穴掘るの 見たことない?!」
見よう見まねでカンナをかける ・・・動かない。
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