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6月20日(月)〜6月24日(金)
今週は台東区千束の江戸簾(えどすだれ)職人「田中義弘」さんを訪ねました。
古来、簾は「御簾(みす)」とも呼ばれ、平安時代から宮中や神社・仏閣などで、部屋の間仕切りや日よけに用いられてきました。田中義弘さんは御簾を作る専門職人「御簾師(みすし)」の技を今に伝えています。
今、手作りで簾を作っているのは、日本全国でも20軒程。そのうち東京の簾屋さんは数軒だそうです。田中さんは田中製簾所の4代目。50年のキャリアを持つベテランです。「簾」は基本的にオーダーメイドで、インテリアショップなどで売られている既製品は、ほとんどが輸入物とのこと。
簾に使う竹は、節と節の間が長くて、固さとしなやかさを併せ持っていて、磨くと独特のつやがでる日本の「ま竹」の3年から4年もの。余談ですが、かぐや姫が入っていたのは、節間が長い“ま竹”。昔から竹を伐採するのは、虫が入っていない冬の仕事だそうですから、竹取の翁がかぐや姫を見つけたのは冬ということになりますね。
思い出してみると、竹の簾の他にも色々な素材の簾があることに気づきます。「萩」「 御形(ごぎょう)」「 葦(よし)」など、それぞれ素材の味わいを生かしながら簾に編み上げられます。
ちなみに、葦(よし)と蘆(あし)は同じ植物です。“あし”だと“悪し・Bad”で縁起が悪いので“善し・good”の“よし”に言い換えているんですね。
簾の最上級素材は「萩」。曲がって生える萩をまっすぐに直して、鮫の皮で磨きをかけて作るので、とても手間がかかるそうです。
田中さんのところでは5代目がシッカリと技を継いでいますし、職人さんも何人かいらっしゃいます。取材に伺ったときは若い女性が仕事をしていました。田中さんは「弟子じゃないよ、仕事のパートナーだね。“教えることは2度習う”といって、人に教える時は正確なことを教えなきゃならないから自分でも見直すでしょ。教えるというのは自分にとってもすごくいいことです。子供の頃は簾があまり好きじゃなかったけど、簾を仕事にしてやる以上は“自分にできない簾はない”というぐらい徹底的にやろうと考えて仕事をしてきました。大げさじゃなく簾は私の人生です。」とおっしゃっていました。
そして最後に、「 〃 をなくさないように頑張っていかないと。〃をなくすと、“すだれ”が“すたれ”ちゃうからねぇ」・・・ですって。
(株)田中製簾所 http://handicrafts.jp/#
住所 台東区千束1-18-6
TEL 03-3873-4653
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