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1月9日(月)〜1月13日(金)
今週は印章彫刻師・松栄昭臣(まつえ・あきおみ)さんを訪ねました。
印章とは“ハンコ”のことですね。それで印鑑は、“印章を押してできた図柄”のことなんです。版画でいえば、印章版木、印鑑は版画になります。皆さんがお持ちの「実印」を証明する「印鑑登録」は、まさに「印鑑」を登録する制度です。
松栄さんは昭和18年石川県生まれ。15才で印章彫刻の世界に入って以来、一筋に技を磨き、組合の研修会などで他の職人さんと技を競わせながら腕を磨いてこられました。これまで、技能コンテストや技術競技会などでたくさんの賞を受賞なさっていますが、昭和44年には「全国技術競技会・労働大臣賞」という大きな賞も受賞なさっています。
今日では印章の世界も機械化が進んでいて、昔ながらの手彫りの職人さんは少なくなっているそうです。
松栄さんに「いいハンコとは?」と伺いました。
「印章には色々な材料のものがありますが、材料によって“押しやすさ”や“印鑑の見栄え”が変わるようなことはほとんどないので、何の素材で印章を作るかは使う人の好みだと思います。しかし、耐久性となると象牙や水牛など動物の角を使ったもののほうが優れていますので、毎日仕事で毎日使う認印にこそ、良い材料のものがオススメです。一般的に、認印は安いものをお持ちになるようですが、逆に、良い素材の認印を1本持つのがいいと思います。認印には楷書体や行書体など様々な書体が使われますが、実印の場合はほとんどが篆書体(てんしょたい)を使います。篆書体は漢字のルーツ・象形文字の雰囲気を残した書体です。お札(紙幣)に押されている印鑑、あれが篆書体です。篆書体で印章を作る場合、その文字ごとの崩し型が決まっているので、その中で、複数の文字のバランスを取って、ハンコの原稿・印稿を作ります。“相が悪い”などといって、ありえない崩し型をするのはもってのほかです。文字の意味、名前の意味が変わってしまいます。そういったことを大事にする印章店で作れば間違いはないと思います」とのこと。
「良い印章を1本作ってみようかなぁ」と考えている方、松栄さんに相談なさってみてはいかがでしょうか。松栄さんのお店「宝美印章(ほうびいんしょう)」は東急東横線「都立大学」駅前にあります。
宝美印章
電話番号 03−3724−4858
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