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8月29日(月)〜9月2日(金) 
東京都足立区の鋏作家・川澄巌(73才)さんを訪ねました。 
川澄さんが作る鋏・国治(くにはる)は、植木や花鋏の世界では最高ランクと言われています。仕上げが独特で、切れ味の良さは言うに及ばず、手によく馴染み、刃先に意識を集中できることから、「刃先に目がある」と称える方もいます。 
鋏作りは巌さんで3代目になりますが、初代のお祖父さんというのが変わった方で、ある日突然「鋏作りを仕事にしよう!」と思い立ち、師匠を持たずに、自己流で鋏を作り始めたそうです。 
その研究熱心さが2代目の(巌さんのお父さん)「国治」さんに受け継がれ、国治さんは、それまでに無いほどの質の高い鋏を仕上げ、2代目の名前を冠した鋏「国治」は全国的に高い評価をされるようになりました。 
巌さんは「国治」の技に磨きをかけた、さらに質の高い鋏を作り続けています。 
「国治」の鋏は葉のように柔らかくて薄いものも、木の枝もスパッと切れるといいます。それを実現するためにつけられた刃の角度も独特です。 
伝統的な技の世界では、これは「邪道」とも「革命」ともいえる技法だそうです。 
そんな技を2代目がどこで体得したのか? 
2代目国治さんは鋏鍛冶ではなく、医療刃物製造の工房に弟子入りしたそうです。 
とにかく切れ味がよい、手になじんで使いやすい、長い時間使っても疲れない。 
医療用鋏の技を植木・花鋏に応用して、唯一無二の「国治」を仕上げていったそうです。しかも、ただ技術があるだけでなく、品物を納める刃物屋さん・道具屋さんのアドバイスを聞き、今でいう“ユーザーの声”を作品に反映させていったそうです。 
使う身・売る身になって鋏作りに取り組んだんですね。 
国治の鋏にアドバイスを与えたお店の人も、それが生かされた商品なら自信を持って勧めることがでます。お店の人の熱心な売り込みもあり、次第に「国治」が有名になっていったんです。 
川澄巌さん(73才)。残念ながら後継者はいませんが、こんなことをおっしゃっていました。 
「後継者なんていなくてもいいと思っています。私のお祖父さんがイイ鋏を研究して自己流で鋏づくりをはじめたように、いつか“イイ鋏を作りたい”と思う人が私の鋏を研究材料にして、もっとイイ鋏を作ってくれると思います。私は、“私の技''を形で残しておけばいいんです。」 
 
「国治」は有名道具店・刃物専門店で入手可。 
川澄さんへの直接TELはご遠慮下さい。
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