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7月11日(月)〜7月15日(金)
今週は、 創業安政元年、浅草駒形の提灯屋、大嶋屋恩田(おおしまやおんだ)五代目・恩田舜史(おんだ・しゅんじ)さんを訪ねました。
神社・お寺の祭礼や冠婚葬祭など、あらたまったシーンで用いられる事が多い提灯。
ランプやガス灯ができる前は外出の必需品でしたから、明治になる前は町内に1軒は提灯屋さんがあったそうです。今では東京に約50軒、貼りあがった提灯に文字や家紋を書くのが仕事です。
やはり、聞いてみなきゃ分からない事ってあるものです。
提灯についての“へぇ〜!”は2つ。
(1)和服の「紋付き」の紋と提灯に書かれている紋は同じもののようで違う!
「紋付のように細かい線を使って正しく書いちゃうと、遠くから見た時に分かりづらいんですよ。提灯には目印の役割もあるんですね。ですから、、、簡単に言うと、模様を簡略化して遠目が利くようにするわけです。たまに、紋付き用の紋をプリントアウトして持ってきて“このまま書いて欲しい”っていうお客さんがいるんですけど、そんなことしたら、せっかくの提灯が台無しになっちゃうんですよ。提灯には提灯の書き方があるんで、そこのところは曲げられないんですよね。」
(2)東京の提灯に書く文字は“江戸文字”!
「江戸文字っていうと、歌舞伎の勘亭流を思い浮かべる人が多いんですが、提灯の文字は“歌舞伎の勘亭流”や“寄席のビラ字”“相撲文字”とは違うんです。江戸の文字というのは徳川の公文書文字“御家流”が基になって、そこからいろんな文字が作られたんです。“それじゃ提灯の文字は?”というと、分かりやすく言うと千社札の文字が江戸文字なんですね。京都で始まった千社詣が江戸で流行った時に千社札が作られたんですが、その時、提灯屋が頼まれて千社札の文字を書いていたそうです。歌舞伎や寄席は上方にもありますけど、千社札を納めるあそびは江戸にしか無かったそうなんです。ずいぶん後に地方に伝わりましたが、、、ですから、江戸にしか無い文字で“江戸文字”。勘亭流や寄席文字などは、満席になるようにとの縁起担ぎで、できるだけ隙間なく文字を太く書くんです。千社札や提灯の文字は白と黒のバランスが大事なんです。千社札、 機会があったらよく見て下さい。もっとも最近じゃ、勘亭流や籠字とか、いろんな文字の千社札がありますけどね。」
そして、ちょっとした驚き。ペンキよりも墨汁よりも、手ですった墨が長持ちする”!
「やっぱり和紙に書くのは手で当たった墨があうんですね。雨に濡れても風に吹かれても、ながれないし、あせづらくていいんですよ。最近じゃ、墨汁も塗料もかなり良くなってますから、手で墨を当たるのは、奉納提灯とか、そういうものの時ですけど。
ん? 当たるの意味が分からない?あぁ〜、職人は縁起担ぎで“する”って言わないんですよ。だから、提灯屋は“すり鉢で墨をする”んだけど、“当たり鉢で墨を当たる”って言い換えるんです。板前も“ごまを当たる”っていうでしょ。」
提灯の世界、奥が深いですよ〜! 結婚記念、誕生祝い、長寿のお祝いなど オリジナルのあつらえ提灯をプレゼントするのが流行っているそうです。なかなか気が利いた記念品ですね。 提灯について詳しくは、大嶋屋恩田のhpでどうぞ。
http://www14.plala.or.jp/chouchin/
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