新入社員座談会
文化放送に新卒で入社したスタッフは、
今どんなことを感じ、
どんな未来を思い描いているのか。
文化放送のフレッシュな「現場」を
知ってもらうために、
2023年度の新入社員3名が
自由に語り合いました。
学生時代の専攻分野、打ち込んでいたこと
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島
学生時代に打ち込んでいたことはマイノリティの理解や、フィールドワークとアルバイトそして、趣味の旅行を楽しむことです。中でも印象に残ってることは、ホームレスの方と一緒に路上販売をしたことと、被災地に行って実際に原発内に入り視察するなどして知見を深めたことです。現地に自分の足で赴いて体を動かし、実際に体感するということを大切にしていたので、学業の面ではフィールドワークや現地に行くこと、趣味の旅行では1ヶ月かけて日本を縦断するなど、フットワークを軽くしていた4年間でした。
マスコミュニケーション学科だったので大学の卒業論文では、質的調査を選択し、たくさんの人に自分でアポイントを取ってインタビューをしました。ジェンダー問題に関心があり、吹奏楽部に所属していたこともあって、何故吹奏楽部員には女性が多いのに、音楽室に飾ってある肖像画や社会人楽団員は男性ばかりなのかと疑問に思い、音楽を生業としていく上でどのような厳しさがあるのかをインタビュー調査して、卒業論文にしました。 -
目黒
大学時代は文化構想学部という学部にいて、表象・メディアやジェンダー・セクシュアリティに関する勉強をしていました。
卒業論文はメディアアートを取り扱うゼミで書いたのですが、私がすごく関心を持っている、人間の声というのがどういうものなのかとか、身体のイメージとの関連性みたいなところをテーマにして書きました。
他に打ち込んでいたことは、演劇と詩です。演劇のサークルに入り、衣装を担当したり、役者として出演したり、あと、コロナ禍だったので、映像配信の機材を触ったりもしていました。それから詩は、雑誌に投稿したり、友人と一緒に同人誌を作ったり、朗読会に出たりしていました。
アルバイトでは、大学が運営している小劇場で制作もしていました。 -
森島
大学では、情報コミュニケーション学部に通っていて、マスメディアと人々との関わり合いを多角的に学んでいました。
また、行動経済学のゼミに所属していて、人間の心理と経済行動との結びつきを勉強していました。
学業以外では、Webメディアでライターとして、自分の購買体験を記事にして発信する長期インターンシップをしていました。
文化放送に応募した理由、文化放送でやりたいと思っていたこと
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島
中学生の時に初めて自らの意思で聴いた『文化放送 超!A&G』が文化放送との出会いで、思い入れのある局でした。就職活動時に、私はアナウンサーを志望していたので、学生時代は話がうまくなりたいという思いから、ラジオアナウンサーの話し方や内容を聴いて、何か吸収できないかと、よくラジオを聴いて勉強していました。
また、高校や大学が家から少し遠かったこともあり、電車の中でもラジオを聴いていたのでラジオ局に親しみを持っていて、学生のときからずっと放送業界に憧れを抱いていました。そして全国の放送局に片っ端からエントリーシートを出して最終的にご縁があったのがここ(文化放送)だったという経緯です。
自分が1週間を乗り切るために、楽しみにしている番組があるので、そういう番組を私も作っていきたいです。 -
目黒
私は人の声がとにかく好きです。中学生の時から声優さんのラジオを中心に聴くようになり、どうして私はこんなにラジオが好きなんだろうとか、声優さんという存在に興味があるんだろうと考えた時に、私は、声の、身体性の中ですごく生々しいものであると同時に、他者と交換されている、というところに興味があるんだと思うようになりました。
きっと声というメディアは、この先もどんな形であれパワーを持っているだろうと思うんです。
私自身が社会の中で生きづらい時とか、ちょっと落ち込んだ時に、声というのは離れていても、触感的に一緒の空間にいてくれる感じがあり、それに救われてきたので、今度は私が作り手になって、色々な人の声を聴いたり、日常の中に何か楽しいものを届けたりする仕事が出来ればいいなという理由から応募しました。 -
森島
小さい頃からテレビでディレクターさんやマネージャーさんが映っているのを見て、メディアの裏方の仕事ってすごく楽しそうだなと、漠然と憧れを抱いていました。
また、『レコメン!』が地元でもネット放送があったので、小学校高学年くらいから放送を聴いていて、番組内に出てくる文化放送という名前にすごく耳なじみがありました。
上京した後、大学2年生からコロナ禍が直撃となり、一人暮らしですごく心細い時間をラジオに助けられて、ラジオにさらに親しみを感じるようになりました。自分がライターとして記事を書く中でも、読者の生活に寄り添い、その人の生活に自分が発信した内容が馴染んでいくということにすごくやりがいを感じていたので、今度は自分が大好きなラジオで、そのような仕事ができたらいいなと思って応募しました。
実際に入社してからの文化放送はどうですか?
(入社前とのイメージのギャップはあったか)
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島
やはりラジオは対話がベースだと、リスナーとして放送を聴いていた頃から感じていたので、人と人との繋がりや会話を大事にしているというイメージが元々ありました。
入社後に感じたのは、思った通りで人の良さだったり繋がりだったり対話をものすごく大切にしてるということです。
なのでギャップは無かったですね。仕事という観点でいうと、リスナーとして聴いている時には、ディレクターだったり、放送作家だったり、ブースの中で起こっている部分しか見えていなかったけれど、実際に自分自身が行っている仕事をはじめ、裏では多岐にわたる業務があると入社してから気づきました。 -
目黒
採用面接でお話ししていた時と入社後とで、文化放送の皆さんへのギャップは無いですね。日々関わる方一人ひとりが魅力的で刺激的です。
他のところでギャップというと、やはり、入社後に研修を受けたとき、ラジオが放送されるまでには大勢の人が関わり、また多くの業務があるということが分かり、ラジオというものやメディアというものへの考え方とか受け取り方が変わったところはあるなと思います。 -
森島
文化放送の方は採用面接の時に、笑って温かい空気を作って下さるような朗らかなイメージがあって、入社してからもその印象は変わらないなと思います。また、あまり人数が多くない会社なので、年の近い先輩も、年の離れた先輩も色々な面で面倒を見て下さり、気にかけて頂いています。
また研修中感じていたことですが、親戚のおじさんみたいにかわいがって下さる先輩方もいて、いい意味でのギャップというか、社会人ってこんなにフランクな感じなんだな、と想像していたイメージとは違う印象を受けました。
今どんな分野の仕事を担当していますか?
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島
私はメディアビジネス局の営業推進部にいます。
営業推進部は営業のサポートであり、かつ編成と営業の架け橋になる役目でもあると、半年間働いてきて感じています。具体的な業務としては今、スポットデスクを担当していて、CMをどこに打ち出すかを考えながら、日々作業をしています。普段そのCMになじみのある人に届けるのはもちろん、出会ったことのない人にいかに出会わせるかというところも大事なのかなと思いながら、CMを打つ時間を考えています。
そのほかにも、最近はスポットに関連する企画書を作ったり、TRA(ターゲティングラジオアド)というCMの自動送出化に向けたこれからのラジオ局の新しいCMの形を考えるメンバーとしても動いたりしていて、ラジオ業界の転換期に携われてることに結構やりがいを感じています。 -
目黒
私はコンテンツ局の制作部で、生放送や収録番組、その他プロジェクトを担当しています。
生放送ではキューを振ったり、ADの仕事をしたり、収録番組では編集をしたり、その番組で今後どういう動きができるかなと企画を練ったりもしています。プロジェクトとしては、『文化放送ロービジョンプロジェクト』に携わり、ウェブサイトの制作等もしています。 -
森島
私もコンテンツ局の制作部で番組制作の仕事をしています。
生放送と収録番組、そしてポッドキャストを含めて、今は5つの番組を担当しています。収録から編集まで全て任せて頂いている番組もあり、自分の裁量で好きに進められる部分がすごく大きく、責任もありますが、やりがいや楽しさを感じながら日々仕事をしています。
働き始めてからの「思い出の仕事」や「嬉しかった出来事」
あるいは「失敗」や「大変だった事」
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島
嬉しかったことは、最初に自分が枠を取ったCMが流れているのを聴いた時に、目には見えないですが、自分が携わったものが世に出ていく瞬間に立ち会えたことに胸の高鳴りを感じたことです。
上司や先輩の手厚いフォローもあって、大きな失敗は今のところ経験していません。ここの会社には周りが助けてくれる環境がありますね。大変だったことは、とある会議で、業界用語が飛び交い過ぎて内容に着いていけなかったことです。メンバーは10歳以上年上の先輩やベテラン社員ばかりで、私だけ取り残された感じがしました。特殊な用語や業務が多いので、覚えることが多く、たくさん勉強をしてもっと吸収していきたいと思っています。 -
目黒
忘れられない仕事は、まず、生放送のキュー振りを通しで出来たことです。その日のゲストの方は、私が「お呼びしたい!」と会議で訴え実現した放送でもありました。目の前に憧れの人がいるし、キュー振りは初めて通しでやるしということで、頭が混乱しながらも、自分の思いを一つの番組にできたことが嬉しかったです。それから、ロービジョンプロジェクトのウェブサイト制作では、社会に届きにくくなってしまっているような声も、注意深く聴いて届けるということをラジオで実現したいと考えていたので、担当できて嬉しいなと思っています。
失敗は、報・連・相をしなかったがゆえに事故一歩寸前の状態を引き起こしてしまったことで、何事も確認がとにかく大事だと痛感しました。
マルチタスクが求められる仕事なので、働き始めて3ヶ月ぐらいまでは、頭で記憶するのとiPhoneのリマインダーでメモをしていたのですが、次第に追いつかなくなって、最近はエクセルで毎週のルーティンタスクを入れたカレンダーを作り整理するようにしています。 -
森島
嬉しかったことは、日々出来ることが増えていっていることです。1人で収録が出来るようになったり、自分が編集したものが放送できていることだったり、またその放送を聴いたリスナーの反応が見られたりすることにも、すごく達成感や嬉しさを感じています。
思い出は、ある芸人さんの番組でスタジオの中に入れて頂き、一緒にお話ができたことです。自分が今まで聴いていたラジオの内輪ノリに自分が参加していることが不思議な感覚で、すごく良い思い出です。小さい失敗も重ねています。
一番の失敗は、出演者に喋って頂いたのに録音出来ていなかったことです。その際、上司にリカバリーしていただいたのですが、ミスした際や、困っている時に、珍しい、助けてあげようと思ってもらえるように、日ごろから真面目に働いていようと思いました…。
今後キャリアを重ねていく中での「やりたい仕事」や「目標」
そして10年後、どんな「人」になっていたいですか?
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島
一日一笑を大切にしているので、誰かが聴いていてクスッと笑える番組を作りたいです。自分がリスナーのときに聴いて心が温まったり背中を押してもらえたので、今度は自分がそういう番組を作ったり、携われたりすることができたらいいなと思います。
音声メディアにはこれから可能性しかないと感じているので、何かが起爆剤となって、オールドスタイルがいい方向に向かっていったらなと思います。ラジオ局だからこそできる「人と人との掛け合わせで生まれる化学反応」を起こせるように、今は知見を深めていきたいと思っています。 -
目黒
社会の中でかき消されそうになってしまう声も遠くまで届ける、というのは入社前から変わらず持っています。
もう1つは、人にはそれぞれ「変」なところが誰にでもあって、そういう部分を面白がって愛おしむ時にラジオというメディアは合っているなと思うので、その人が生きて重ねてきた「癖」みたいなものを届けられるような番組を作りたいです。リスナーの皆さんからも、そういう部分、生活の中で、あんまり人には言わないけど実はこうなんだとか、人とこの話をしたことはなかったけど、自分と同じような人がいるんだとか、繋がりがどんどん出来ていくような、少し遊び心や実験的な部分もあるような番組を作りたいです。
そして、人としては、仕事でもプライベートでも、自分が何かやりたいと思った時に、一緒にやってくれる人やモノが無理なく楽しんで見つけられるような状態になっていたいと思います。 -
森島
今後いつか、リスナーとパーソナリティが一緒に年を取っていけるような番組を作りたいなと思っています。また、今自分が担当させて頂いている番組も、長く続けていけるように頑張っていきたいと思っています。
10年後は、楽しそうだなとか、面白そうだなと感じたことをすぐに実現に移せるような人になっていたいです。面白そうなことをたくさん思いつけるアイディア豊富な人でありたいなとも思います。
就職活動に臨むみなさんへ
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就活は運と縁と恩です。なので自分がやったことが、何かしらの形でいつか必ず返ってくると思っています。奇をてらって独創的な発言をすると、自分を見失ってしまうことがあると思うのです。
私はありのままを受け入れてもらえる方がよっぽど幸せだと就活をしていく中で気づいたので、自分らしさを全開にして等身大で臨み、その上で認められたらきっと晴れやかな気持ちになれると思います。それが自然とオリジナリティになっていますよ。だから、自分らしさを忘れずに最後まで頑張って下さい! -
私は就活をしている時に、自分は仕事というものを人生のどういう位置に置きたいのかということを考えていました。これまでの人生を振り返った時に、楽しかったと思う出来事を書き連ねてみたり……。目先の面接を通過することを目標にするとあまりにも大変だったので、まずは自分が何を大事にしてきて、何をやりたいと思っているのかということを、1度立ち止まって考えてみる機会にしました。
皆さんももし気が向いたら、自分について考えまくる期間にしてみると思わぬ発見があるかもしれません……! -
私は就活での面接が苦手で、すごく緊張したことを覚えています。でも今思い返してみると、緊張していないようにすましている人よりも、緊張でいっぱいいっぱいになってるくらいが、会社に対して熱意があることを伝えられるのではないかなと思います。あまり気負わずに、緊張して当たり前だと思って面接を受けて欲しいと思います。
また、友人たちを見ていても、皆その人に合っている会社に進んだなと思っていて、結局しっくりくる会社に落ち着くんだろうなという考えになりました。焦らず追い込まずに就職活動をして欲しいと思います。