【西武】栗山巧選手インタビュー 現役生活の締めくくりに向けた決意の一言とは?

【西武】栗山巧選手インタビュー 現役生活の締めくくりに向けた決意の一言とは?

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8月27日放送の『文化放送ライオンズナイタースペシャル 堀口文宏のラジオフルスイング』では、8月30日に引退試合を迎える栗山巧選手に独占インタビューした模様を放送した。試合展開を読んだ声かけの考え、バッティングで1番大事なこと、引退試合に向かう決意について訊いた。

――文化放送ライオンズナイターに毎試合前に出演するようになったのは、キャプテンと選手会長を兼ねていた2012年、栗山巧「決意の一言」をお願いしていたからですよね。リスナーと一緒に試合前の円陣を組むイメージで喋っていただいていたのですが、栗山巧選手はとにかく声が大きかったです。
栗山「本当ですか?(笑)」

――こちらが持つマイクを栗山選手の口からほどよく遠ざけることがスタッフにとって大事な仕事だったのですが、私が今まであったプロ野球選手のなかで地声が1番大きかったです。一体どこで培ってきたのでしょうか?
栗山「そんなことないですよ。最近は『声が小さいな』と思って、『腹からしっかり声を出さないといけないな』と思っていました。でも、2012年のころを思いだせばいいんだと思いました(笑)」

――1軍の試合だと自然と腹から声が出ていたということでしょうか?
栗山「そうかもしれないですね」

――声が枯れたことはありますか?
栗山「あります。いつ声が枯れたかは覚えていませんが」

――栗山選手は「声を出し続けていると、そのうち試合の展開を読んだ気の利いた一言がポンっと出てくる」とゲスト解説の時におっしゃっていました。具体的にはどういうことなのでしょうか?
栗山「最初は『行け〜』や『1本出せみたいな声かけから始まり追い込まれ方などを見て、『変化球が来るんじゃないかな? ちょこん!』と軽打でいいよみたいな感じでどんどん声が出てくる。声を出していれば試合展開がパっと頭に入ってきて、『ぐしゃ!』と声かけをして本当にぐしゃ!っとしたヒットが出た時は立ち上がって喜びます。催してきている感じってベンチから見ていてあるじゃないですか? 『打つぞ打つぞ……打った〜!』みたいな。だんだんとそういうふうになってくるものだと思っています」

――「決意の一言」を毎日聞いていて気づいたことがあるのですが、栗山選手は「試合」という言葉を使わず、いつも「ゲーム」と表現していましたね。
栗山「無意識ですね。でも、ゲームですよね?」

――ゲームと言うと、試合よりも遊びの感覚がどこかにあるような感じがします。
栗山「そんなふうにも感じますよね。でも、意識はしていなかったですね(笑)」

――栗山選手がキャプテンを務めた2012年7月1日、稲尾和久投手の背番号24を永久欠番とするメモリアルゲームの前に、小学生のころ稲尾選手のサイン色紙をもらったことがあるという貴重な経験を明かしてくださいました。そこに書き添えられた一言は、「善敗己由(ぜんぱいおのれによる)」。今や栗山巧ファンの横断幕でも知られる言葉ですが、改めてその意味を教えてください。
栗山「いいことも悪いこともすべて自分次第という意味です」

――10歳のころに、お父様が稲尾投手から息子の巧さん向けにサインをいただいたら、「必ず鉄腕と書くはずなのに、この時だけはなぜか善敗己由と書いたんや」と息子の巧さんにおっしゃったそうですね。
栗山「そうですね。まったくその通りです」

――栗山選手は最初、「こういう言葉があるんだな」と思ったそうですが、徐々に「意味が分かるようになってきた」と当時はおっしゃっていました。改めて今はどう感じていますか?
栗山「今も言葉の意味を実感していく。言葉の意味を忘れてはまた思いだして、より深く僕の身体に浸透してくるというよりは、ふとした時に善敗己由という言葉をいただいたのを思いだして、自分を律するという感じですね」

――プロに入ってから25年間、自分を律し続けているようにしか見えません。
栗山「そうでない時もあったと思います。集中力が途切れがちになったり、集中しすぎて疲れた時に自分を成長させていくという気持ちの部分が少し低くなる瞬間はありますよ。でも、できるだけ早い段階でそれを成長につなげていくようなエネルギーの出し方をやれてきたとは思います」

――毎日気づいたことをメモする野球日記は結構前に断念したとおっしゃっていました。理由としては、「言葉が次々と思い浮かびいつまで経っても書き終わらないので、睡眠不足に陥ってプレーに支障が出る危険を感じた。書こうと思えばいくらでも書けるから困る」ということだったのですが、そのあとはいかがですか?
栗山「そのあとも挑戦はしたのですが、最近は毎日同じようなことを永遠と書いているんです。読み返しても『また同じことを書いている』というのもあって、今年も今思うことは今しかないのでしっかり書き留めていこうとやっていたのですが断念しました。『続けるというのは難しいことなんだな』と思って、それを今日は書いていきます(笑)」

――栗山選手は昔から聞かれたことに対してしっかり自分と向き合って、すぐさま言葉にできる能力があるので、無理して書き留めておく必要はないですよね。
栗山「そんなことないですよ。その時の気持ちというのは意外と移り変わっていくので。でも、1週間、1ヶ月の単位で見ると同じようなことばかり書いているんですよね(笑)」

――最近はどんなことを書いていますか?
栗山「『力を抜け』とずっと書いていました。とにかく力を抜くこと。バットを構えた時に力を抜くこと。タイミングを取って打ち出す時に力を抜くこと。力を抜くことしか書いていないなと思いました」

――「力を抜け」は昔から思っていることですか?
栗山「昔から思っていて、今年は打撃の追求というところで自分のスイングに対して何が1番いいのかを探っていた。でも、結局はどれだけ力を抜けるか。またはその逆で、『力んでも意味がない』を書き出すんですよね。それで『一緒のことじゃん』となり結局はそこに行きついたところがあって、今の僕が大事にしていることでもあり、プレー全般においても大事なことなのかなと思っています」

――書かなくても力が抜けていた時期を覚えていますか?
栗山「基本的に力を抜くことがすごく苦手。どちらかというと力を入れるほうが好きで、充実感や満足感が得られるんですよね。そこで疲れ果ててしまい『これ以上力が入らない』ところがまさに練習で培ってきたこと。もう少しやってみて『何か手応えがつかめるぞ』というのは力が抜けた状態なので、夏場が割と好きなんです。疲れているのでそれ以上力みようがないというか、細かく言ったら筋肉の温度が上がって関節が柔軟に動くなどもあるかと思うのですが、僕の手応え的には疲れているので力がそれ以上入らない。すると動きやすく感じてしょうがない。もともと力を抜くのがうまい人はいると思うので、僕は力を入れるほうが好きだったという感じです」

――栗山選手は骨折はありましたが、ケガとはほとんど無縁でしたね。
栗山「結果としては無縁に近いことになりますね。肉離れっぽいとか、そういう類のものはありました」

――外野を守っていて、センターからレフトに回った2011年、2012年、全力で打球を追えなくて投手陣や首脳陣に謝り続けて、「その分打って返します」と言っていた時期ですね。
栗山「そうですね。前ももとか」

――試合には出続けていたので、「ケガではなかったのかな?」と思ってしまいます。
栗山「本当にそういうことです。プレーができている限りはケガではないという考えですね」

――小さいころから限界までバットを振り込んで、「まだ行ける! でも、ここが限界」という判断をされていたと聞いたことがあります。
栗山「これは自分ひとりで追い込んでいったわけではなくて、練習を手伝ってくれた大人の指導者がいてこそなので、自然とそういう流れになったというか気持ちだけは強いものがあったので、肉体的な痛みはある程度乗り越えられたところはありますね」

――プロになりたい熱い気持ちを大学、社会人に進んでからも持ち続ける自信がなかった。中学、高校の6年間は生活のすべてを野球のために費やしていた。精神的に早熟以外何者でもないと思ってしまうのですが、もしも高卒前にドラフト会議で指名されていなかったら、栗山巧という野球人はどんな道に進んでいたと思いますか?
栗山「難しい質問ですね。どうなっていたんでしょうね」

――進学をするとしたら、大学は関東のほうに進むつもりだったんですよね?
栗山「そうですね。具体的には言えないですけど。でも、野球の強いところに進学していた感じです。当時の高校の監督からは『進学というよりは社会人のほうが向いているんじゃないか? 野球に集中できたほうがお前にとってはいいんじゃないか』と言われました」

――最後になりますが、現役生活の締めくくりに向けた、栗山巧「決意の一言」をいただけますか?
栗山「2026年8月30日、僕にとってはいつもと変わらず野球に打撃に集中する。そういう日です。さあ行こう!」

※インタビュアー:文化放送・斉藤一美アナウンサー

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