「視覚障害者の職場定着」

番組制作担当の塚本です。

3月31日に放送した「知っていますかロービジョン」の番組のテーマは「視覚障害者が働く」でした。

番組では視覚障害者の雇用環境の厳しさを伝えるとともに、視覚障害者の職場定着のために努力している企業の取り組みを紹介しました。

先週のこの「こぼれ話」の欄では、全国視覚障害者雇用促進連絡会が厚生労働省に対して申し入れた様々な要望事項に触れました。

今週は、独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」がまとめた「視覚障害者の職場定着推進マニュアル」(令和5年度版)を取り上げます。

このマニュアルには先ず、視覚障害者が活躍している職場の事例が紹介されています。

一つの例としては、老人福祉センターが盲学校の生徒を実習という形で受け入れ、その生徒が卒業後にこのセンターが運営する高齢者施設で採用されたとのケースが報告されていました。

この施設では、盲学校で使っていた機種と同じパソコンを職場に導入するなどの配慮を行っています。

同様のケースは、これまでに10人の障害者を採用してきたという病院でも見られます。

例えば障害者が安全に通勤できるよう送迎バスを運行したり、残業などで帰宅が遅くなる場合は、職員が車で自宅まで送るなどのサポートが行われています。

また、この病院においても視覚障害者の採用に当たっては、盲学校の教員と密接な連絡をとっており、病院の物理療法室で働くスタッフは、6人のうち5人が視覚障害者ということです。