「改めて地震発生時の視覚障害者の避難について」

番組制作担当の塚本です。

3日(水)午前、台湾東部で大規模な地震が発生し、いまだ被害の全容は把握しきれていません。

元旦の能登半島の地震の記憶も生々しい中での、台湾の地震でしたが、現地の視覚障害の人たちは、無事に避難できたのかを考えないわけにはいきません。

3月31日に放送した「知っていますか ロービジョン」の番組では、石川県珠洲市で被災した大口さんという方の体験をご紹介しました。

大口さんは元旦の夕方、地震が発生したときは自宅2階で休んでいましたが、これまでに経験したことのないような揺れだったということです。

1階に降りる階段も今にも崩れそうな状態で、慎重に降りて、自宅玄関から避難場所に避難しようとしましたが、その時すでに、大口さんが視覚障害であることを知っている近所の人たちが、避難を手伝う為に玄関の外で待っていてくれたそうです。

地域の人たちとの日ごろの交流・付き合いの大切さを感じさせるエピソードと言えます。

その晩は、近くの学校の体育館に避難しましたが、避難所の設営や運営に精通した人がおらず、視覚障害の大口さんは、入り口から最も遠い場所を割り当てられ、トイレに行こうにも、食事をもらいに行こうにも、白杖をついて歩くスペースすらなく、大変な思いをしたそうです。

現在は、加賀市内のホテルの二次避難所で家族と一緒に暮らすことは出来ていますが、仕事への復帰など先行きの課題解決は、まだ見えてはいないということでした。

視覚障害者の災害時の避難の問題は、今後随時取り上げます。