「音響式信号機設置運動、2年間の歩み」

番組制作担当の塚本です。

大東文化大学に通う視覚障害の大学生、秋元美宙さんの2年間にわたる運動が実って、大学正門前に音響式信号機が設置されるとともに、バス停までの点字ブロックが敷設されたことは、昨日のこの欄で紹介しました。

秋元さんの活動を支援してきた東京都視覚障害者協議会の山城完治氏に、この2年間の運動を振り返って頂きました。

キッカケは、生まれつき視覚障害があった秋元さんが、小学生の頃に通っていた盲学校の担任の先生が、秋元さんを山城氏に紹介した事でした。

その時、秋元さんから「大学正門前の横断歩道に音響式信号機が付いてないので、安心して一人で通学できない」との訴えが寄せられました。

山城氏は、すぐに秋元さんと一緒に現場の横断歩道を渡ってみて、音響式信号機が必要と判断します。

そして、大学正門前の道路が都道であることから、警視庁と東京都建設局に、音響式信号機の設置と点字ブロックの敷設を要請することを決めたという事です。

これを受けて、警視庁、都庁それに地元の板橋区の担当者が、現場の状況を調査。

並行して山城氏らは、視覚障害者の仲間に呼びかけ、点字の署名集めなどの活動を進めます。

こうした運動が実って、3月2日に音響式信号機が設置されるに至ります。

山城氏は、これまで40年以上にわたって、音響式信号機の設置や点字ブロックの敷設を求める運動に携わってきましたが、今回の秋元さんのケースのように、要望を提出してから2年余りで、設置にこぎつける事が出来たのは、あまり例がないという事です。