「音響式信号機設置、視覚障がい者が渡り初め」

番組制作担当の塚本です。

2月14日と15日の「こぼれ話」の欄で紹介しましたが、大東文化大学に通う視覚障がい者の秋元美宙さんという大学生が、安全に横断歩道を渡るために設置を求めていた音響式信号機が完成し、3月2日(土)に渡り初めが行われました。

場所は板橋区高島平1-9-1の大東文化大学正門前の横断歩道です。

渡り初めには秋元さんと、秋元さんの要望を実現するために協力した東京都視覚障がい者協議会のメンバーら合わせて4人が参加していました。

この横断歩道は片側3車線の都道446号にあり、上を首都高5号線が走っているため、車の走行音で信号が赤か青かを判断する視覚障がい者にとっては、事故にもつながりかねない危険な場所でした。

午後2時過ぎから、設置されたばかりの音響式信号機が作動し、ピヨピヨと鳴る音が聞こえ始めると、秋元さんは横断歩道の中央に設置されたばかりの突起のついたエスコートゾーンの上を、白杖を突きながら、すたすたと一人で渡りきることが出来ました。

現場には高島平警察署の婦人警官も立ち合い、「信号機の音の大きさはいかがですか」と秋元さんに尋ね、秋元さんは「首都高速を走る車の騒音や、強い雨が降っている時に、信号機の音がかき消されるのではないかと考えると、もう少し音を大きくしていただけませんか」など、細かい点を確認していました。

渡り初めを終えて、秋元さんは立ち会った警察官に、「音響式信号機を付けて下さって本当に有難うございました。私もこれで安心して横断歩道を渡れます」と、何度も頭を下げていました。

秋元さんが足掛け3年にわたって、警視庁や都庁に要望してきた音響式信号機が、その夢かなって設置されました。