「視覚障害者の移動を語る会」

番組制作担当の塚本です。

2月17日に視覚障害者の当事者団体である「日本弱視者ネットワーク」が主催する「移動を語る会 第三回」がオンラインで開催されました。

視覚障害者にとって、「安全な歩行」「移動の安全の確保」は、死活的に重要なテーマであることは論を待ちません。

この日の議論は、国の内外を問わず、旅行の安全に必要な福祉サービスと、移動の安全の為のデバイスの開発という二つのテーマで行われました。

このうちデバイスの開発をめぐる議論では、この番組でも取り上げたAIスーツケースが紹介されていました。

AIスーツケースは、日本科学未来館が開発中のスーツケース型ナビゲーションロボットです。

既に様々な場所で実証実験が行われており、この日の参加メンバーの中にも、AIスーツケースを利用して歩行を体験した視覚障害者が複数おられました。

感想としては、「AIスーツケースに導かれてエレベーターに乗れたのがすごいと思った」「ネックスピーカーからの音声ガイドが適宜あって良かった」などの声がありました。

また、今後の改善点としては、「デコボコ道や段差をうまく乗り越えられない」「階段の上り降りなどは難しいだろう」といった点が指摘されていました。

更にこうした実証実験はAIスーツケースの改良のために行われているものであり、こうしたことを通じて、新しい技術が社会に受け入れられる社会的受容性を高めることが肝要との声も聞かれました。