「視覚障害者にとっての避難所生活」

番組制作担当の塚本です。
昨日に続いて今日も、関西学院大学の金菱清教授のゼミ学生が中心になってまとめた「五感でとらえなおす阪神・淡路大震災の記憶」という書籍の中から、避難所での視覚障害者の生活の一端を紹介いたします。

阪神・淡路大震災に見舞われた或る視覚障害者は、自宅にいると危ないことをラジオで聞き、避難所に身を寄せた後、仮設住宅で暮らすこととなりました。

視覚障害者にとって、避難所という空間は、生活空間と呼ぶには余りにも条件が苛酷だったといいます。

身動き一つできず、配給物資も誰かが持ってきてくれるのをまっているしかなく、この避難所で暮らした一週間が、精神的にとても辛かったと振り返っています。

大災害の時の障害者のための避難所は、一般の人とは別に作って欲しいと思ったとも、当時の日記には記されていました。

ただ、この視覚障害の方の場合は、周りの人に無料でマッサージをしたりして、大変に喜ばれ、コミュニケーションが次第にとれるようになっていったともされ、こうしたコミュニケーション力が大災害時には必要ではないかと、この本をまとめた学生らは記しています。