「障害者雇用のモデル企業」

番組制作担当の塚本です。

障害者の雇用にあたっては、企業が障害者が働きやすい環境を整えるなど合理的配慮を行うことが義務付けられています。

厚生労働省は昨年、「障害者への合理的配慮好事例集」をまとめ公表しています。この中に視覚障害者の雇用に当たっての良い事例が載っていましたので、紹介いたします。

この会社は島根県出雲市の中筋組という建設会社です。

中筋組で働いていた男性が32歳の時に視神経の疾病によって重度の視覚障害となって入院しました。

退院後2年間、歩行訓練やパソコンのスキル習得の為の職業訓練を受けた後、復職しました。

復職に当たって、会社がこの男性の為に講じた合理的配慮としては、「本人がパソコンスキル習得の訓練を受けた機種と同じパソコンを会社が購入」「紙文書の読み上げ、郵送作業などを行う介助者を、この男性の隣席に配置」「この男性がそれまでに従事してきた業務で培ってきた知見やキャリアを生かせるような仕事を与える」ことなどの配慮が講じられました。

その結果、この男性は復職後約20年間も、会社にとってなくてはならない人材として活躍中とのことです。

中筋組の担当者は、「視覚障害になった後、20年以上も雇用が継続している背景には、何が必要かということをお互いに遠慮なくキャッチボールできた事が大きい。障害を理由に辞めることなく、働き続けてもらう為には、障害者本人から必要なものを漏れなく聞き出し、合理的配慮を行うことが必要だと思います」と話しています。

中筋組のホームページには、企業理念として「誠意と愛情を持って、人を預かる」と謳われています。