「障害者の雇用に際し企業に求められる合理的配慮」

番組制作担当の塚本です。

障害者の雇用にあたっては、企業側が障害者の働きやすい環境を整備するなど、健常者の雇用とはまた違った様々な配慮を行うことが義務付けられています。

例えば車いすの障害者を雇用する場合には、会社内の段差のある場所にスロープを設置する必要があるといったことなどが、雇用主の企業側に求められる合理的配慮の一例と言えます。

それでは、視覚障害者を雇用する場合には、どんな配慮が必要とされるでしょうか。

日本弱視者ネットワークという視覚障害者の当事者団体が、「視覚障害者の就労に対応する合理的配慮について」と題する文書をまとめ、公表しています。
今日はその内容をご紹介したいと思います。

この文書では先ず、「視覚障害者は書類やパソコンでの読み書きが出来ないので、デスクワークは無理だと思われがちである」と指摘しています。

そのうえで、「しかし、支援機器(ルーペ 拡大読書器)や支援ソフト(画面拡大ソフト 画面読み上げソフト)などの活用によって、多くの視覚障害者が働いていると指摘しています。

こうした現実を踏まえて、「雇用している視覚障害者への合理的配慮」としては、「必要な支援機器、支援ソフトについては、本人とよく話し合い、積極的に導入する」「業務内容については出来ないと思われることも、工夫次第で出来ることもあり、先ずはチャレンジする機会を与える」など7項目の合理的配慮を求めています。

また、社員の採用にあたっては、「視覚障害者が対応しやすい点字などによる受験を認めるよう配慮する」「職務上必要な要件として、活字の印刷文に対応できることや、介助なしで職務が遂行できるなど、一部の視覚障害者を排除するような要件を設けない」ことなどを、合理的配慮として求めています。

障害の程度によって、その人に相応しい配慮は異なることもあるかも知れませんが、こうしたことが「企業の障害者雇用にあたっての合理的配慮」として求められています。