「触覚書道講座」

番組制作担当の塚本です。

以前、この欄で紹介しましたが、視覚障害の人も楽しめる書道として、触覚書道という新しい書道のスタイルがあります。

書道家の池山永津子さんが編み出したもので、2021年9月に触覚書道刻字協会という団体が発足しました。

この触覚書道の講座の初回の講座が、昨日(24日)に東京・田町の東京都障害者福祉会館で開かれました。

参加した視覚障害者は10名余り。そのうち4人は触覚書道の初心者でした。

触覚書道は筆にリモネン液という特殊な溶液を付けて、発泡スチロールの板に書くことによって、書いた部分がへこみ、自分がどんな字を書いたのかが、そのへこみの部分を触って分かるという方法で書道を体験するというものです。

そして、そのへこみの部分に色をつけることによって、書いた文字が浮き上がってきれいに見えるように仕上げます。

初回の講座では、「土」「日」のように縦と横の線だけで文字が書ける練習から始まりました。

或る参加者は、「小学校の頃から短大を卒業するまで、ずっと書道を続けていたが、社会に出て次第に視力が衰えていくにつれて、書道が出来なくなり、落ち込んだ時もあった。しかし知り合いの人に触覚書道の存在を教えてもらい、興味を持って、今日初めて参加した。筆づかいが懐かしく、うれしくなった」と話していました。

触覚書道については、「触覚書道刻字協会のホームページ」で、より詳しく知ることができます。