「60社に断られた就職活動」

番組制作担当の塚本です。

今日紹介するのは、東京・高田馬場で視覚障害者の為の様々な情報機器の商品開発・販売、そしてそれらの商品のユーザーへのサポートを行う「株式会社ラビット」の社長、荒川明宏さんです。

荒川さんは、網膜剥離で小学3年生の時に失明し、盲学校に入学しました。

入学した当初は、白杖を突きながら一人で家に帰るまでの30分間ほどの時間が、とてもこわかったと振り返っています。

卒業後は大阪のライトハウスに入り、歩行訓練などの生活訓練や情報入手などの訓練を約4年間勉強しました。

将来の進路としては、東京で就職したいと考え、約1年間、就活に励みましたが、60社ほど面接を受けたもののことごとく断られ、一時は人間不信に陥ったこともあったそうです。

当時はまだパソコンも普及していない時代で、情報処理を勉強してきた荒川さんにしても、その能力を会社に評価してもらう以前に、日本の社会全体に障害者雇用への理解が乏しかった時期でした。

約1年がかりの就活を経て、やっと1社、面接で合格した会社があり、その会社で荒川さんは、汎用大型コンピューターのオペレーションの仕事に携わります。

従業員1000人ほどの大企業でしたが、荒川さん以外の障害者はおらず、「何故、私を採用したのですか」と人事担当者に聞いたところ、「君が一番、面接で生き生きとしていたからだ」との返事をもらったということです。

荒川さんが、その後、自らラビットという会社を創業するに至る経過などは、明日、この欄で紹介いたします。