「ロービジョンケア・マインド」

番組制作担当の塚本です。

12月17日(日)に「日本ロービジョン学会研修会」がオンラインで開催され、冒頭、国立障害者リハビリテーションセンター病院 第二診療部長の清水朋美先生が講演されました。

演題は、「まずはここから!クイック・ロービジョンケアの始め⽅」というもので、清水先生は「リハビリテーションという言葉は、患者の全人間的復権を目指すものだ」と指摘していました。

その上に立って、眼科医の施す視覚リハビリは患者の生活を守る手段であり、眼科医に期待される役割は、ロービジョンケアを必要とする患者に「見えにくくても何とかなる」というメッセージを伝えることだとしています。
見えにくい人が少しでも生活しやすくなるように、具体的に考えることがロービジョンケア・マインドと言われるもので、このマインドこそが大切だという指摘でした。

特に目の障害のために「仕事を続けられないのではないか」と悩んでいる患者に対しては、眼科医が「仕事を辞めないで」という言葉をかけることが重要で、場合によっては視覚障害者の就労の相談を手掛けている認定NPO法人「タートルの会」を紹介するのも一つの方法であり、困っている患者を手ぶらでは帰さないという姿勢が求められるということです。

「見えない=何もできない」と考える患者がほとんどかもしれませんが、見えなくても工夫次第で出来ることがあることを、眼科医は患者に伝えることが大切であり、その前段として、患者が見えにくいことで困ったり、諦めたりしていることを、一緒になって探してあげることから、眼科医によるロービジョンケアは始まるという指摘だったように感じました。

清水朋美先生は、2022年9月放送の「知っていますかロービジョン」の第一回目の番組に出演されていますので、興味のある方は、このサイト内の番組をお聞きになってみてはいかがでしょうか。



※2022年919日(月・祝)放送の当番組第一弾『知っていますか?ロービジョン~0と1の間』は、「当サイト内」、または「文化放送 PodcastQR 」で聴くことができます!