「現役高校生が考える障害者の就労支援」

番組制作担当の塚本です。

障害者の雇用促進をテーマにした「就労支援フォーラムNIPPON 2023」が、12月16日(土)、17日(日)の二日間にわたって、東京・渋谷で開催されました。

フォーラムの冒頭、基調講演に立ったのは現役高校3年生の野添葉音(はのん)さん。

テーマは「それでいいのですか? ~高校3年生の私が障害者就労支援について考えてみたこと~」というものでした。

野添さんの母が聴覚障害者であることから、障害者の就労問題に関心を持ち始めたということです。

高校2年生から障害者就労に関する文献・実地調査を始め、現在は学生団体「育成草(いくせいそう)」という組織を立ち上げ、活動しています。

障害者雇用については、現在、従業員総数の2.3%の人数の障害者を雇うように企業に求める法定雇用率が定められていますが、野添さんは「雇用率ありきの採用ではなく、戦力としての雇用へ」と考え方を転換して欲しいと訴えていました。

野添さんの調査によると、雇用された障害者が会社で今より仕事の幅を広げて、働き甲斐を求めても、企業は障害者に対する配慮から、あえて簡単な業務しか頼まないというミスマッチが起きているということでした。

また、障害を持った学生には、なかなかインターンシップの機会が与えられないことも、企業の障害者雇用への理解が進まない一因ではないかと指摘していました。

更に、福祉ビジネスで儲けることは悪いことでしょうかとも問いかけ、福祉ビジネスにはイノベーションを起こす可能性が秘められていると訴えていました。

結びに、野添さんは「障害者の方々が働き甲斐を持って活躍できる社会が当たり前になるように、共に障害者就労の明るい未来を創っていきましょう」と呼び掛け、基調講演を締めくくりました。

野添さんは、来春、大学へ進学し、社会福祉を専門に学ぶそうです。