「歩行中にヒヤッとした経験」

番組制作担当の塚本です。

視覚障碍者の患者会で、様々な支援活動も行っている「タートルの会」の11月交流会に参加し、歩行訓練についての説明を受けたことを、先日、この欄で報告いたしましたが、この交流会には約20名の視覚障害の方々が参加していました。

視覚障害の方々が、街中を一人で歩くときは、どんなに注意深く歩いていても、色々な危険が伴うであろうことは、想像に難くありません。

実際にどんな危険と遭遇したのか、そのヒヤッとした経験について聞きました。

今も週に5日~6日間は通勤しているという男性は、「これまでに電車の駅のホームから6回は落ちたことがある。最後に落ちた時は側溝にはまってしまいケガをした。また、初めての道を歩く時の緊張感は半端なものではない。自分の体の前が安全なのか、白杖で慎重に確認しながら歩くが、白杖を他の人にひっかけたりしないようにといった点にも注意が必要だ」と話していました。

また、ロービジョンだという男性も、「ホームドアがまだ工事中で開いたままになっていて、そこから落ちそうになった。その時はたまたま、近くにいた人が腕を引っ張ってくれて、転落は免れた。また駅に向かって歩いているときに、駅前の大通りに気づかず、安全を確認しないまま渡ってしまったこともあった。以前、国立リハビリテーションセンターで、歩行訓練を受けたが、こうした訓練を受けることは絶対に必要だと思う」と話していました。

ホームドアの設置されてない駅のホームで、一人で歩いている視覚障害の方を見かけたときは、安全に移動できるよう周囲の人が、声をかけるなどの配慮が必要だと強く感じます。

視覚障碍者の歩行の安全をいかに確保するかについては、これからもこの欄で随時取り上げたいと思います。