「鍼灸師として47年 恩田利夫さん~盲B盲Gインタビュー」

「鍼灸師として47年 恩田利夫さん~盲B盲Gインタビュー」
番組担当の塚本です。「こぼれ話」の欄でこれまで度々紹介してきましたが、「盲学校卒業のOB OGの今を知るサイト」である盲B盲Gのサイトに、鍼灸師として47年間働いて来られた恩田利夫さんが取り上げられていました。
恩田さんは1954年生まれ。生まれつきの弱視で、小学3年生までは地元の小学校に通っていましたが、その後、埼玉県立盲学校に転校し、小学部、中学部で勉強を続けました。高校進学に当たって、周囲の人は文京盲学校に行くように勧めましたが、恩田さんはヘレンケラー学院の鍼灸科に進学しました。その理由として恩田さんは、ヘレンケラー学院が、中途失明の人の社会復帰を目指す場所と聞いていたからと話しています。
ヘレンケラー学院のクラスメートは、ほぼ全員が自分の親ぐらいの年齢の人ばかりだったという事ですが、色々な人生を背負った大人たちにもまれるうちに、人間としての幅が広がったと、恩田さんは当時を振り返っています。そんなご自身の体験を踏まえて、恩田さんは後輩へのメッセージとして、「思春期から25歳までの時間を大切にして欲しい。やりたいと思ったことはやって欲しい」と話しています。
ヘレンケラー学院を卒業した恩田さんは、1979年、25歳の時に自宅の一部を改装して鍼灸院を開業しました。昼間は治療、夜はアマチュア無線に没頭した日々だったということですが、世界中の見知らぬ人たちとの無線での会話を通じて、患者に寄り添うコミュニケーション能力が向上したのではないかという事です。
治療では、極力、世間話以上の会話には踏み込まないように注意していたという事ですが、ガンを患っていた女子高校生が治療に来た時、「卒業証書だけは自分で受け取りたいと言っていたその女子高校生が、卒業式を待たずに亡くなってしまった」というその時の事だけは、忘れられないと話しています。
恩田さんは、今年、「はじめの一歩」という小説を書き、出版しました。この本については、後日紹介したいと思っています。