「JR駅無人化訴訟原告敗訴判決~大胡田弁護士の視点」③

「JR駅無人化訴訟原告敗訴判決~大胡田弁護士の視点」③
番組担当の塚本です。駅の無人化を巡り、大分県内に住む視覚障害者らが、移動の自由を侵害されたとして、JR九州に損害賠償を求めていた裁判で、大分地方裁判所は今年4月、原告の訴えを棄却する判決を言い渡しました。「こぼれ話」の欄では、「この判決はどのような内容のものであったのか」という点と、「この判決の法律的な問題点は何か」という二つの点について、全盲の弁護士、大胡田誠さんが「月刊視覚障害7月号」に寄稿した論文を紹介してきました。三回目の今日は、この判決を受けて考えるべき事は何かというテーマでお伝えします。
大胡田弁護士は、先ず、「電車に乗れる事と、自由に移動できることの違い」について触れています。
JR九州は、「無人駅であっても、障害者が事前に連絡してくれれば対応する」などと説明し、判決もこの点を重視していました。しかし健常者は事前の連絡などしなくても、自由に乗り降りできるという障害者が享受できない移動の自由を手にしています。
この点を取り上げて、大胡田弁護士は、「ここに障害者と健常者の大きな差異がある。私たちが確認しなければならないのは、電車に乗れる事ではなく、障害があってもなくても、自由に移動できることを目指さなければいけないという事だ」と指摘しています。
そのうえで、大胡田弁護士は、この判決を社会はどのように受け止めるべきかについて、下記のように提言しています。
『今後、無人化は鉄道に限らず、社会のあらゆる分野で進んでいくことだろう。しかしだからと言って、障害者が不利益を被ることを当然視していいわけではない。この判決が問いかけているのは、駅員を残すべきかということだけではない。無人化が進む社会の中で、障害者の平等な参加をどのように保障するのかという社会全体の在り方そのものなのである』