「JR駅無人化訴訟原告敗訴判決~大胡田弁護士の視点」①

「JR駅無人化訴訟原告敗訴判決~大胡田弁護士の視点」①
番組担当の塚本です。駅の無人化を巡り、大分県内に住む視覚障害者らが、移動の自由を侵害されたとして、JR九州に損害賠償を求めていた裁判で、大分地方裁判所が、原告の訴えを棄却する判決を言い渡したことは、この「こぼれ話」の欄でも以前紹介しました。この判決について、全盲の弁護士である大胡田誠さんが、月刊「視覚障害7月号」で、この判決をどのように読むべきかについて、原稿を寄せていました。その内容を紹介したいと思います。
この中で、大胡田弁護士は、原告の訴えのうち、裁判所が認めた部分として、以下の2点を挙げています。
一つは、裁判所は移動の自由について、単に場所を移る自由にとどまらず、人が社会参加するための前提であり、人格的自律に関わる重要な利益であると述べています。
二つ目に、無人化された駅では介助を必要とする障害者は、事前に連絡し、介助体制が整うまで待つ必要がある。一方、障害の無い利用者は、発車時刻までに駅に行けばそのまま列車に乗ることが出来る。
このように、裁判所は障害者と障害のない利用者との間に鉄道の利用条件に差異があることを認定しました。
しかし、判決は、この差異は安全な乗降支援の為であり、また、人口減少や利用者の減少、人材不足などを背景とするJR九州の経営判断にも合理性が認められるとして、障害者に対する不当な差別の取り扱いには当たらないと結論づけました。大胡田弁護士は、この裁判所の判断にこそ、大きな問題があると指摘しています。その問題とは何かについては、明日のこの欄で詳しく紹介いたします。