「医学モデルと社会モデル」④

番組担当の塚本です。

今週は1月17日(土)に開催された「
タートルの会」の交流会での東洋大学人間科学総合研究所客員研究員の川内美彦さんの講演内容を紹介しています。

講演のテーマは、『障害者差別解消法から学ぶ 「心のバリアフリー」や「合理的配慮」をきちんと考える』
でした。

この中で川内さんは次のように、今の社会で当たり前のように語られる”障害者にやさしい社会”の在り方に疑問を呈しました。

『やさしさや思いやりは人の気持ちの問題。ある店主がやさしければ買い物が出来るが、やさしくなければ買い物が出来ないとしたら、それはおかしい。障害のある人が障害の無い人と同じように社会参加が出来るかどうかは、人々の気持ちとは関係ない。なぜならそれは権利だから。』

この問題提起から、川内さんの講演は本題である「障害の医学モデルと社会モデルの違い」について触れていきます。

その違いについての川内さんの主張は以下のようなものです。

『障害の医学モデルは、原因を本人の側から考える。本人の体の方を社会に適合させる。
障害の社会モデルは、原因を社会の側から考える。社会の方を本人の体に適合させる。
リハビリすべきは社会である。』

この考え方を、具体的に説明するとすれば、視覚障害者が一人で街を出歩くことが出来ない場合、「これを、本人の眼が悪いことが問題だと考えるのが医学モデルの考え方。これに対し、視覚障害者が安全に一人で歩けるような街になっていないことが問題だと考えるのが社会モデルの考え方。」という事になります。

この違いを踏まえたうえで、川内さんは以下のように結論づけています。

『現在の障害観によれば、障害とは問題を人の側から考える医学モデルだけでも、社会の側から考える社会モデルだけでも説明できない。障害は個人による要因と社会による要因の相互作用によって生まれている。このように障害は個人の心身機能の障害と社会的障壁の相互作用によって作り出されているものであり、社会的障壁を取り除くのは社会の責務である。』

これを受けて、川内さんの講演は、「なぜ合理的配慮が必要なのか」といった面に触れていきます。その内容は、明日紹介いたします。