「目を診る、その先へ~清水朋美医師の提言」①

番組担当の塚本です。

月刊誌「視覚障害」の9月号に、「知っていますか?ロービジョン」の番組に過去二回ほどご出演をいただいた国立障害者リハビリテーションセンター病院眼科医の清水朋美医師の提言が掲載されておりましたので、その内容を紹介させて頂きます。

提言の冒頭、清水先生は「自分は治療者だと考えている眼科医は今でも多いと思う。勿論、眼科医の仕事は病気を見つけて治療し、治すことにある。しかし、この治すの中に目の病気しか含まれていないのではないかと感じることが正直とても多い」と書き記しています。

眼科医は目の病気を治すことが仕事というのは、ごく当然の事と思いましたが、清水医師は、「それだけでは不充分で、患者の視覚障害が日常生活にどのような影響を及ぼしているのかという生活の質(QOL)の視点には十分に目が向けられていない傾向があるように思われる」と指摘しています。

そのうえで、清水医師は、「見えにくくなったことが、日々の生活にどれほど影響しているのかを考慮してこそ本当の意味での医療ではないのか」と問題提起をされています。

「医療は治療だけではない」という考え方は、患者の立場からは大いに共感できるように感じました。