「戦後80年~視覚障害者と戦争」⑧

番組担当の塚本です。

視覚障害者が、目は不自由でも、聴覚は優れているとして、その聴覚を生かそうとの考え方から、敵機の襲来を音でとらえ、その戦闘機がどんな型で、高度何メートルぐらいの高さを飛んでいるのかを察知する「聴音兵」という形で、戦争に駆り出されていたことは、昨日もお伝え致しました。

ネットで「聴音兵」と検索すると、以前NHKテレビで紹介された番組を、YouTubeで見ることが出来ます。

元々は、当時岐阜にあった盲学校から、陸軍大臣の東条英機に「盲人を聴音兵にして欲しい」という嘆願書が出されたことをきっかけに、視覚障害者の聴音兵としての動員が始まったということのようです。

その背景には、徴兵検査で視覚障害を理由に不合格となった盲人に対し、「役に立たない穀つぶし」といった言葉が投げつけられ、悔しい思いをした彼らの名誉回復の思いを込めて、聴音兵として戦争遂行に協力するという形に結びついていったようです。

こうした戦争協力の動きが美談として語られる時代であったということなのでしょう。

障害者をも戦争に駆り立てる余りにも悲しい現実だったと言えるかと思います。