「戦後80年~視覚障害者と戦争」④

番組担当の塚本です。
戦時中の視覚障害者の暮らしぶりを調べるために、東京・九段下にある「しょうけい館」の図書室に出向いたところ、「視覚障害者と戦争」というタイトルの、40ページほどの冊子が所蔵されていました。
内容は11人の視覚障害者が、どんな形で戦争に人生を翻弄されたかを記す手記です。
今日はその中から、竹内勝美さんという方の手記を紹介します。
竹内さんが盲学校中等部2年生の時、太平洋戦争が始まりました。
そのニュースを聞いて、なぜか「やった」と大喜びした思い出があったという事です。
それでも友人たちが少年航空兵を目指して次々に入隊していくのを駅頭で見送るたびに、視覚障害者の自分は、お国のために役に立てないと肩身の狭い思いをしたと言います。
盲学校では勤労奉仕に駆り出されるとともに、金属不足を補う為、「掘り出せ家庭鉱脈」の合言葉のもと、鍋や釜だけでなく、学生服の金ボタンまで供出させられたということです。
盲学校の生徒は、目が悪いと耳はよくきくだろうと思われたのか、大きなラッパがついて、早く敵の戦闘機の音をとらえる聴音器という機械の訓練もさせられましたが、これは何の役にも立たなかったと、竹内さんは振り返っています。
盲学校卒業後は海軍のマッサージ師として採用され、落下傘の訓練を受けましたが、地面への到達時間を正確に把握できず、足腰を痛めるものが続出したという事です。
三ヶ月の訓練を終えて、各自、それぞれの任地へ向かうこととなりましたが、外地に派遣される途中、船が沈められ、命を落とした仲間もたくさんいました。
竹内さんは内地勤務で、横須賀と三沢の基地で勤務しましたが、三沢で終戦を迎える事となりました。
8月26日、復員列車で故郷の長崎へ戻りましたが、竹内さんを待っていたのは、長崎への原爆投下で、父母も妹も亡くなったという知らせでした。
竹内さんは手記の最後に、「障害者にとって戦争時ほど住みにくい世の中はない」と綴っています。
「しょうけい館」に所蔵されている「視覚障害者と戦争」という冊子から紹介させていただきました。
尚、東京・九段下にある「しょうけい館」(戦傷病者史料館)では、8月13日(水)~15日(金)までの三日間、14時半~15時半まで、語り部による「夏の集中講話会」が開催されます。
13日と14日の講話では、「視覚障害者と戦争」に関するテーマも予定されています。
ご興味のある方は、「しょうけい館」のホームページをご参照ください。
戦時中の視覚障害者の暮らしぶりを調べるために、東京・九段下にある「しょうけい館」の図書室に出向いたところ、「視覚障害者と戦争」というタイトルの、40ページほどの冊子が所蔵されていました。
内容は11人の視覚障害者が、どんな形で戦争に人生を翻弄されたかを記す手記です。
今日はその中から、竹内勝美さんという方の手記を紹介します。
竹内さんが盲学校中等部2年生の時、太平洋戦争が始まりました。
そのニュースを聞いて、なぜか「やった」と大喜びした思い出があったという事です。
それでも友人たちが少年航空兵を目指して次々に入隊していくのを駅頭で見送るたびに、視覚障害者の自分は、お国のために役に立てないと肩身の狭い思いをしたと言います。
盲学校では勤労奉仕に駆り出されるとともに、金属不足を補う為、「掘り出せ家庭鉱脈」の合言葉のもと、鍋や釜だけでなく、学生服の金ボタンまで供出させられたということです。
盲学校の生徒は、目が悪いと耳はよくきくだろうと思われたのか、大きなラッパがついて、早く敵の戦闘機の音をとらえる聴音器という機械の訓練もさせられましたが、これは何の役にも立たなかったと、竹内さんは振り返っています。
盲学校卒業後は海軍のマッサージ師として採用され、落下傘の訓練を受けましたが、地面への到達時間を正確に把握できず、足腰を痛めるものが続出したという事です。
三ヶ月の訓練を終えて、各自、それぞれの任地へ向かうこととなりましたが、外地に派遣される途中、船が沈められ、命を落とした仲間もたくさんいました。
竹内さんは内地勤務で、横須賀と三沢の基地で勤務しましたが、三沢で終戦を迎える事となりました。
8月26日、復員列車で故郷の長崎へ戻りましたが、竹内さんを待っていたのは、長崎への原爆投下で、父母も妹も亡くなったという知らせでした。
竹内さんは手記の最後に、「障害者にとって戦争時ほど住みにくい世の中はない」と綴っています。
「しょうけい館」に所蔵されている「視覚障害者と戦争」という冊子から紹介させていただきました。
尚、東京・九段下にある「しょうけい館」(戦傷病者史料館)では、8月13日(水)~15日(金)までの三日間、14時半~15時半まで、語り部による「夏の集中講話会」が開催されます。
13日と14日の講話では、「視覚障害者と戦争」に関するテーマも予定されています。
ご興味のある方は、「しょうけい館」のホームページをご参照ください。