「シネマ・チュプキ・タバタはこうして生まれた」②

番組担当の塚本です。

ユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」が誕生するまでの経緯を、この映画館のオーナーである平塚千穂子さんの著書『夢のユニバーサルシアター』(読書工房刊)を基に紹介しています。

視覚障害者が映画鑑賞を楽しめるように、映画の場面を解説する音声ガイドをつける活動を始めるまで、平塚さんは、「映画は一人で鑑賞するものだと思っていた」と振り返っています。

しかし視覚に障害のある人に、映画の面白さや感動を伝えたいと思って活動を始めると、「色々な人と一緒に映画を観るのは楽しい」という考え方に変わったということです。

そこから音声ガイド研究会「シティライツ」が主体となって「シティライツ映画祭」の開催へと動き出します。

その為には、映画の場面の解説だけではなく、字幕朗読にも音声ガイドが必要となり、字幕朗読担当の音声ガイドには、その役に成りきる演技力も求められます。

音声ガイドの制作には、10人から15人のボランテイアスタッフが、週に一回、午前10時から夕方5時まで、映像を繰り返し見ながら、解説の言葉を吟味する作業を約半年かけて行っていたそうです。

そうした積み重ねの上に、2008年から2014年まで年一回のペースで、シティライツ映画祭を成功させました。

そこから平塚さんは、音声ガイド付き映画を上映する映画館を、自分たちで作りたいという夢に向かって進むことになります。