「サヘル・ローズ初監督作品『花束』」③

番組担当の塚本です。

東京・北区・田端に視覚障害者、聴覚障害者にも映画鑑賞を楽しんでもらいたいとの願いから2016年9月にオープンしたユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」という映画館があります。

昨日、一昨日に続いて今日も、この映画館で行われたサヘル・ローズさんの初監督作品『花束』の上映会をご紹介します。

上映終了後のアフタートークで、サヘル・ローズさんは以下のようなメッセージを残されていました。

「大人が幸せになれない社会では、子どもは幸せになれない。私は、養護施設で育った彼らに光をプレゼントしたかった。社会的養護を取り巻く問題は、山ほどある。例えば、施設を出たあとに、身寄りがないという問題に直面する。全員が生き延びているわけではない。一人の若者は、空へ旅立ってしまった。その子の分も生きていかなければいけない。私は『花束』を一回で終わらせたくない。施設を出て苦しんでいる子に、光を当てたい。映画で世の中の何かを変えることは出来ないかもしれないが、どうか皆さんで生きて欲しい。私は日本で安全地帯に生活している。でもそれは当たり前ではない。皆さんの命を大切にしたいと思っている。そんな花束を皆さんにお送りしたい。」