「オーディオブック・サロン」②

番組担当の塚本です。

昨日に引き続いて川崎市視覚障害者情報文化センターで開催された「オーディオブック・サロン」について紹介致します。

小学館とのコラボイベントして開催されたもので、小学館からはアクセシブル・ブックス事業室課長の木村匡志さんが出席されていました。

視覚障害者が音声を聴いて本を楽しむ媒体としては、古くはカセットブックなどがありました。

それでは、オーディオブックとはどんなものなのでしょうか。

木村課長の説明によれば、「音楽が主ではない音声媒体の総称」を指すということです。

利用者は主としてストリーミングやダウンロードでオーディオブックでの読書を楽しみます。

現在、小学館がオーディオブックとして製作した書物は2000冊を超えています。

イベント会場では、デイジー図書とオーディオブックを実際に聞き比べてみていましたが、デイジー図書が淡々とした朗読が多いのに対して、オーディオブックは何人かの声優が登場人物の役になりきって演じるなど、ラジオドラマを聴いているような印象でした。

場面を盛り上げるために、時にBGMが挿入されていたり、著者が自ら著書を読んでいくようなものもあり、作品として表現できる自由度が高いのがオーディオブックの特徴だということです。

デイジー図書とオーディオブックのどちらを選ぶかは、利用する視覚障害当事者の方の好みに合わせて使い分けることが、いつか可能になるかも知れません。

このイベントを小学館と一緒に企画した川崎市視覚障害者情報文化センターの橋口講平さんは、「視覚障害者の方々の読書のニーズは高い。特にコロナ禍では、本のおかげで生きていけるとおっしゃる方もいた。視覚障害者にとって本を読むことは生きることなのだという事を、肌で感じている。それだからこそ、本に接することの出来る選択肢を増やしていきたい。デイジー図書もオーディオブックもそれぞれ有っていい。視覚障害者が読書する選択肢を広げたい」と語っていました。

明日は、このイベントに参加した視覚障害者の方の声を紹介します。