「移動を語る会~一歩を踏み出すために」

番組担当の塚本です。

日本弱視者ネットワーク」のホームページに今年2月に開かれた「第四回 移動を語る会」の内容が紹介されています。

四名のロービジョンの当事者が、一人でも積極的に外出できるようになったキッカケなど、多くの視覚障害者に参考になるテーマについて語り合っていました

網膜色素変性症で夜盲の症状もあるという女性は、一人で外出するのは怖いという気持ちが先立っていましたが、4~5年前に歩行訓練を受けたことをキッカケに前向きになったと話し、思い切って駅員や通行人にもお願いしてみると、皆親切に案内してくれるという体験談を語ってくれました。

また、テーマパークが大好きだという男性は、最初は年間パスポートを購入しても、一人では行けないと二の足を踏んでいましたが、いざ購入してみると、「やれるだけやってみるか。意外と何とかなるんじゃないか」と考えるようになって、今ではそのテーマパークならどこでも案内できると話していました

「とりあえず駅に行って、電車に乗ってしまえば何とかなる」「
好きな事であれば、自分が思っている以上にうまくいくものだ」とその成功体験を語ってくれていました。

また、23歳で中途失明し、玄関から一歩でも出たら歩けなかった男性は、視覚障害者の就労座談会に参加したいと思って電話したところ、スタッフに「とにかく東京へ来なさい」と言われて、はるばる名古屋から、どうやって行こうかと不安一杯だったということです。

しかしいざ会場にようやくたどり着いてみると、そこにはキラキラした視覚障害者が沢山いて、自分と同世代でも就労している人が沢山いて、「弱視でも何とかなるのではないか」と感じたといいます。

それによって自分の中の「目が悪いからだめだ」という固定観念が吹き飛び、今では「自分の視力で、どこまで出来るか試したい」という気になっているということです。

この「移動を語る会」では、こうした前向きの報告が相次いでおり、「とにかく一歩、踏み出すことの大切さ」を感じさせてくれます。