「駅ホームでの視覚障害者の安全対策」①

番組担当の塚本です。

視覚障害者にとっては、生死の問題に直結する駅ホームでの転落事故については、これまでもこの欄で度々取り上げてきました。

厚生労働省では、2020年10月から「新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会」を、これまでに13回開催してきました。

その中では、ホーム転落を経験した事のある視覚障害者から、その時の状況についての聞き取り調査が行われ、結果が公表されています。

昨年12月時点でまとめられた調査結果を、以下紹介します。

2024年1月に横浜駅でホーム転落を経験した人は、生まれつきの全盲で障害者手帳1級を持っていますが、「日によって視力・見え方に変動があり、当日は見えづらかった」と当時を振り返っています。

また、2005年5月に岡山駅でホーム転落を経験した人は、「ホームが工事中であった。階段を上がったところに荷物のようなものがあり、避けようとして、いつもより大きく曲がったところで転落した」と話しています。

この他では、「生まれつき全盲で障害者手帳は1級。当日は電車を降りて改札口に向かって歩行中に、その日はたまたま乗降客の多いタイミングで、人をよけようとして横によけながら歩いていたら転落してしまった。」とか、「雨が降っていたためホーム上でも傘をさしている乗客がおり、その人たちを避けて歩かなければならなかった」などと、事故当時を振り返っての経験談が寄せられています。

詳しくは、「新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会」で検索すると、調査結果を見ることが出来ます。