「歩行訓練士が足りない」

番組担当の塚本です。

最近、各種の報道を通じて、視覚障害者の安全な歩行を指導する歩行訓練士の人手不足が深刻化しているというニュースに接することが多くなったような気がします。

Yahoo!ニュースでは、「歩行訓練2年待ちの現実。視覚障害者の“一歩”に何が必要か」というタイトルの記事を発信していました。

それによりますと、全国に約30万人と言われる視覚障害者に対して、歩行訓練士は現在245人しかおらず、歩行訓練を受けたいという視覚障害者のニーズには全く応えられない現実があります。

そもそも歩行訓練士とは、視覚障害者が白杖などを使って安全に歩けるように指導・支援する専門職の事ですが、それだけにとどまらず、点字やPC、スマホを用いたコミュニケーション、調理・掃除・食事・身だしなみなど日常生活に必要な動作や技能の指導なども担当しています。

こうした幅広いジャンルの指導を手掛けているだけあって、視覚障害当事者の親御さんの中には、「歩行訓練士は視覚障害者の心の杖のような存在」と話している人もいます。

昨年度の調査では、歩行訓練士は全国の94機関で合計245人。そのうち実際に稼働しているのは91機関で189人というデータが出ています。

更に全国四つの県では、歩行訓練士が0人、1人しかいない県は12県に上っています。

歩行訓練士の資格を取得するには、専門の養成機関で2年間の訓練が必要なうえ、資格を取得しても待遇面などを理由に歩行訓練士として稼働してくれないケースもあるということです。

こうした歩行訓練士を取り巻く環境については、NHKラジオの「視覚障害ナビラジオ」でも、「知ってほしい 歩行訓練士の世界」というタイトルの番組が、今年2月16日（日）に放送されています。

この放送は、聞き逃し配信で、今も聴くことができます。

こうした歩行訓練士の現状については、「歩行訓練士　人手不足」でネット検索すると、様々な記事がアップされていますので参考になさって下さい。