「災害時のトイレの備え」①

番組担当の塚本です。

東京都が開催している「視覚障害者とともに学ぶ教養講座」が、3月23日(日)に東京・田町の東京都障害者福祉会館で開かれました。

この日の講座のテーマは、「災害時のトイレの備え」で、NPO法人「日本トイレ協会」代表理事の加藤篤さんが講師を務めました。

講座では先ず、1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災、そして昨年1月の能登半島地震の三回にわたる震災で、避難所での滞在を余儀なくされた被災者が、どんな困りごとに直面していたのかについての調査結果が報告されました。

それによりますと、阪神淡路大震災で地震発生から3日後に避難所で聞いた「今、必要なものは何ですか」というアンケートで、最も多かったのは、簡易トイレという回答でした。

東日本大震災の被災地の避難所で聞いた「避難所で問題だと思った施設は何ですか」というアンケートでも、最も多かったのはトイレという回答でした。

更に能登半島地震の被災地の避難所でも、住民が「困ったこと」の第一位は、やはりトイレという回答でした。

大規模な震災後に取り上げられるニュース映像では、よく給水車に並ぶ人々の長い列が放映され、飲み水の問題が最も深刻なのかと思いがちですが、実際には困りごとの第一位は、トイレ問題であったことが浮き彫りになりました。

それでは具体的にどんな問題に直面したのかについては、明日以降、この欄で触れます。