鍼とマッサージの「ピットイン」・小泉貴さんインタビュー③

番組担当の目黒です。

今回も引き続き、東京下町で、鍼とマッサージの「ピットイン」と言う治療院を開業している、小泉貴さんのインタビューをお届けします。

小泉さんの顔写真
小泉さんは、埼玉県所沢市にある国立障害者リハビリテーションセンターを2023年春に定年退職した元教官。

網膜色素変性症という目の疾患を患い、全盲の視覚障害者で、難聴もあり、補聴器もしていらっしゃいます。

大好きなモータースポーツにちなんだ「ピットイン」という店名に、生まれ育った地域の方々の心身の調整や修理を行える場所への願いを込めています。



(「ピットイン」の施術台)

——視覚障害の方に向けて、メッセージはありますか?


私の疾患、網膜色素変性症はじわじわと進むんですね。だから覚悟ができていたのかもしれないんですけど、急に見えなくなったというような人はやっぱり大変だろうなと思います。人それぞれなので難しいですが、十分頑張ってるから頑張れとは言いません。でも、いろんな人と話をする、特に同じ疾患の方と話をするのはすごくいいと思います。私も、中国に渡ったときの治療団とのつながりは大きいです。視覚障害の団体とかに出てみるのもいいと思います。頑張らなくていいですから、自然体で、と思います。


——視覚障害ではない方に向けて、メッセージはありますか?


例えば、視覚障害者が車椅子の人の気持ちは分からないですよね。だから、分かったつもりにならないでほしいです。分からないことを分かってほしいです。分からなくていいから、何かお手伝いできませんかと言ってくれると助かるんです。

例えば、テレビのニュースも、英語音声に字幕がついていると私は全然分からないんです。私たちも言葉を発信しないといけないですが、分からないことに気づいてほしいと思います。人はその立場にならないと分からないと思うので、分からないことを分かってほしい。その上で、コミュニケーションをとってくれたら嬉しいと思います。

(「ピットイン」のメニュー表)



3回にわたり、小泉貴さんのインタビューをお届けいたしました。

気になった方はぜひ、鍼とマッサージの「ピットイン」のウェブサイトをご覧になってみてくださいね。