ロービジョンのYouTuber・あさひさんインタビュー②

番組担当の目黒です。

今回も前回に続いて、「あさひ 旅するロービジョン」というYouTubeチャンネルで動画の投稿活動をしている、あさひさんのインタビューをお届けします。



あさひさんは、1999年生まれ。

黄斑変性症という病気で物心ついた時には弱視でした。

多くの留学経験があり、高校2年生でチェコ、大学1年生でフランス、大学2年と社会人1年目でバングラデシュに行かれました。

現在は、会社員として勤めながら、YouTubeチャンネルで、視覚障害についてや、障害があっても豊かに生きるために役立つ情報を配信しています。

あさひさんの動画は、「こちら」からご覧いただくことができます。



——YouTube活動を始めたきっかけは何ですか?


バングラデシュにどうしても行きたかったので、卒業後、どこにも就職をしないという判断をしていました。
そうなったときに、社会との関わりが全然なくなるんだと思って、だったら、私だからこそバリューを発揮できるようなことがあればいいなと思って、色々検討した結果思いついたのが、YouTubeでの視覚障害についての発信活動でした。自分の「見えない」特徴を活用して人に発信できることは本望ですし、むしろ自分がコメントをいただいているところに励まされて続けられているところもあるなと思っています。

——YouTubeの編集はご自身でやっているのですか?


編集は基本的には自分でやっています。本数出していきたいけど細かい部分でどうしても時間がかかるなと思うところは、友人が手伝ってくれている部分もあります。できるできないで言うと全部できるのですが、動画の不要な部分をカットしてつなげる、みたいなことは友達が手伝ってくれて、時間短縮をしてやったりしていますね。

——初めてあさひさんの動画をみる方におすすめの動画はありますか?


チャンネル紹介の動画」があるので、まずはそれをご覧いただいたら大体の内容が分かるかなと思います。
もしそれではないものでということだったら、「視覚障害者が初めての場所に1人で行ってみた」という動画シリーズがあって、お題を出されてその目的地に一人でたどり着けるかのチャレンジをしているのですが、それの「小田原篇」かなと思います!

——コメント欄ではどんな声がよく聞かれますか?


まず一番多いのは、勇気をもらった!とか、励まされた!といったお声です。こういう情報ありがとう!というコメントもすごく多いので、嬉しいなと思っています。
あとは、自分の見え方を書く方もすごく多くて、心のよりどころというか、見えないことを共有する場がみんなあまりないから、こういうところに書いてくださるんだなと思って、そういう人たちにとってのある種の居場所みたいになったらいいなと思います。

——ロービジョンであることで落ち込んだ時期はありましたか? あったとしたら、それをどうやり過ごしましたか?


私が一番落ち込んでいたのは、小学校高学年から中学生くらいの時期で、人と違うということを顕著に感じた時期だったと思います。自分自身が視覚障がいでいじめられてたわけではないけど、周りの人たちと違うとからかわれるみたいなことってあると思っていて、一緒であることが正義なのに自分はみんなと違って見えづらいことがある、ということを意識した時に、積極性みたいなものが下がっていたと思います。
勉強がすごく遅れていたとか、部活に入っていなかったとかではなかったのですが、基本的にやりたいことに思いっきり手を挙げられないことが私にとっての一番のネックだったので、静かにやり過ごしていました。あとは、工夫する術とかも全然知らなかったので、見えなくてできないのはしょうがないみたいに思ってしまった時もありました。細かく新聞を書いていくこととかが難しかったのですが、できないからしょうがないなと思ったりとか、パワーポイントの使い方も、パソコンのアクセシビリティ機能があるって知らなかったので、私は見えないからパソコン使えなくてもしょうがないと思って隣の人がスライド作ってくれたりとかしてしまっていて、良くなかったなと思いますが、その術を本当に知らなかった、と思います。パソコンが使えるって知った時は衝撃的でした。

——パソコンの使い方はどこで学んだのですか?


高校で盲学校に入っていて、そこで学びました。授業がすごく魅力的で入ったのですが、入った時に全盲の先生に、「パソコンが使えない視覚障がい者は生きていけないよ」と言われて、必死で練習した記憶があります。そういう先人がいるのが特別支援学校のいいところだと思うので、切り開いていってくださった先生方の背中を見て過ごせた高校時代は、すごくおもしろかったなと思いますね。

——本プロジェクトには、ロービジョンではない人に向けても、ロービジョンの事を知ってもらいたいという思いがあります。ロービジョンではない人に向けて、伝えたいことがあったら教えてください。

まずは身近に感じてほしいなと思っています。
視覚障がいの人が友人や家族にいない方は、障がいのある方って遠い存在で、自分には関係ないってきっと心のどこかで潜在的に思っている部分があると思うのですが、YouTubeとかで見て、「こういう人がいるんだ」とか「こうやって工夫してるんだ」とか「こんなお困りごとあるんだ」みたいなことを、私はある種エンタメ的に見てもらえればいいのかなと思っています。その中から知ってもらって、視覚障害を少しでも身近に感じてもらえたら、街で視覚障がいの方を見つけた時に、「あの人見えづらいんだ」って気に留めてもらえると思いますし、すごく困っていそうだったらお声がけをする、みたいなところにつながって、私たちもきっとありがたいなって感じると思うので、視覚障がいの人を身近に感じる一つの手段として、ぜひYouTubeは見てもらえたら嬉しいなと思っています。



2回にわたり、あさひさんのインタビューをお届けいたしました。

”まずは身近に感じてほしい”。

ロービジョンを知る入口として、気軽に楽しんで見られるYouTubeはとても力があると思います。

気になった方は、ぜひあさひさんの動画をご覧になってみてくださいね。