ロービジョンのYouTuber・あさひさんインタビュー①

今回は、「あさひ 旅するロービジョン」というYouTubeチャンネルで動画の投稿活動をしている、あさひさんのインタビューをお届けします。

あさひさんは、1999年生まれ。
黄斑変性症という病気で物心ついた時には弱視でした。
多くの留学経験があり、高校2年生でチェコ、大学1年生でフランス、大学2年と社会人1年目でバングラデシュに行かれました。
現在は、会社員として勤めながら、YouTubeチャンネルで、視覚障害についてや、障害があっても豊かに生きるために役立つ情報を配信しています。
あさひさんの動画は、「こちら」からご覧いただくことができます。
——あさひさんの現在の見え方はどんな感じでしょうか?
中心暗点で、視野の中心に全く見えない部分があります。周辺は、視力が低くなっています。小学校1年生くらいで視力が0.1くらいになり、現在は0.03ほどです。
——日常生活を送っていて、ロービジョンで困ることはどんなことですか?
例えば、仕事をしているときに、拡大しないとすべてのものが見えないので、全体像をみるのが苦手です。資料の見逃している部分があったり、パワーポイントをきれいに構成するのが難しかったりします。
それから、地図がなかなか読めないですね。旅行の際に地図を見てぱっとルートを決めることが難しいので、事前に調べて回り方を考える必要があります。
色覚的にも弱いので、例えば、お洋服を買うときに、薄いグレーと茶色がかっているものと薄いグリーンがあると、どれがどれかを識別することが難しくて、人に聞いて選ぶことが多いです。
——日常生活では白杖を使っていますか?
周辺視野、見える部分があるので、意外と一人で歩けます。慣れたところは白杖なしで歩いています。例えば通勤とか、日常のお買い物は白杖なしで歩いていますね。
ただ、一人で初めてのところに行くとか、買い物をするにあたってお困りごとが発生しそうだと思ったときは白杖を使うようにしているので、障害物を検知するためというより、シンボルケーンとして使っています。
——どんなお仕事をされていますか?
一般の企業で障がい者雇用で働いています。障がい者雇用とはいえ、他の方とお給料も業務内容も同じです。
ただ、見えづらくてできない業務は振られないように、合理的配慮をいただいて働いています。
基本的にPC上ですべてが完結する仕事をしています。音声読み上げと拡大鏡の機能を併用していて、長いメールは音声を使った方が圧倒的に早いですが、「このボタンを探す」というようなときは目でぱっと探したほうが早いので、場合によって使い分けをしています。
分類で言うと、新規事業の立ち上げに近いお仕事をさせていただくことが多いですね。
——今のお仕事はどのように探されましたか?
私はもともと理学療法士の資格を取っていて、病院で理学療法士として働こうとしていたのですが、就職活動をしている中で、理学療法士というよりビジネス側で働く方が向いているなと思って、一般企業に切り替えました。
探し方が分からなくて困ったのですが、今は障がい者雇用のエージェントがあるので、そちらに相談して、紹介していただいた中から色々受けて、内定を得た中から選ばせていただきました。
——職場ではどのように合理的な配慮を受けていますか?
例えば、資料の大事なところを赤字にしていくような作業は色弱だと難しく、やっても確認ができないし、それは先輩がやった方が早いですよね。
どうしても難しいことは、人に説明してお願いしてやっていることもあります。
去年入社して、最初に配属されたグループのお仕事はとても細かい作業が多かったので、目の疲れも大きくて、上司に相談してもう少し目の負担が少ないグループに異動させていただきました。かなり試行錯誤しながら仕事をしています。
次回の投稿でも、引き続きあさひさんのインタビューをお届けいたします。