「落ちない駅ホームを早く」②

番組担当の塚本です。

昨日に引き続いて、鉄道の駅でのホーム転落事故を防ぐために、視覚障がい者の当事者団体が取り組んできた運動について取り上げます。

「点字民報」2月号で、全日本視覚障害者協議会の山城完治さんが、この50年間に及ぶ運動の歩みについて触れています。

1973年2月1日、当時国鉄の山手線・高田馬場駅で全盲の上野孝司さんがホームから転落し亡くなりました。

上野さんのご両親が、国鉄を相手取って損害賠償を求める裁判を起こし、11年に及ぶ裁判の結果、東京地方裁判所で勝利し、東京高裁で和解が成立しています。

全視協は当事者としてこの裁判を支えるとともに、ホームドアの設置を働き掛けてきました。

一定の成果が上がっているとはいえ、視覚障がい者がホームから転落する事故は、2010年から21年度の12年間に824件も起きています。

山城さんは転落しない駅のホームを増やすことは、視覚障がい者の社会参加に欠かせないと強く呼びかけています。