「盲目の先生 命の授業」②

番組担当の塚本です。

昨日に引き続き、「その苦しみは続かない 盲目の先生 命の授業」(竹内昌彦著 朝日新聞出版)という本を基に、竹内昌彦さんの生き方をご紹介します。

岡山盲学校の教師として働き始めた竹内さんは、その後結婚し、長男が生まれました。

その子は重度の脳性小児麻痺でした。

保育園、養護学校、療育園と施設を移りながらも、長男は成長していきましたが、7歳の時に肺炎を併発して帰らぬ人となりました。

気力を失いかけた竹内さんを元気づけたのは、次男が小学二年生の時に書いた作文だったと言います。

その作文には、「お父さんは目が見えないけど、うちの中で出来ないことはほとんどありません。でもぼくは、早く大きくなって、おとうさんをたすけてあげたいです。」と記されていました。

この言葉に励まされ、竹内さんは新たな夢に向かって前進します。

2005年に盲学校を退職後は、講師として働きながら、竹内さんは外国にも盲学校を作って、その国の視覚障がいの子どもたちの手助けを思い立ちました。

必要な資金集めに奔走し、モンゴルに盲学校を開校し、更にキルギスに生活支援訓練校を建設したのです。

2017年には、NPO法人「ヒカリカナタ基金」を創設し、その理事長として視覚障がい者支援の活動を続けています。

竹内さんは、これまでの人生を振り返って、「三度、死にたいと思ったことがあったが、その後に必ず、生きていてよかったと思える時が来た」と記しています。