「盲目の先生 命の授業」①

番組担当の塚本です。

盲学校についての色々な資料を調べているうちに、『その苦しみは続かない 盲目の先生 命の授業』(竹内昌彦著、朝日新聞出版)という本と出会いました。

著者の竹内昌彦さんは、日本が敗戦した1945年に天津で生まれ、5歳の時に右眼を失明し、左眼もよく見えない視覚障がいとなります。

いったんは小学校に通うものの、網膜剥離の進行で、小学三年生で盲学校に転校し、小学五年生の時に左眼も視力を失い、完全に失明します。

盲学校の中学部に進みましたが、本人は将来の進路として視覚障がい者の多くが職業として選択するあんま師にはなりたいとは思わず、自分の将来について深刻に悩み続けます。

「幸せって何だろう」と自問自答し、たくさんの本を読み漁った高等部時代でした。

高等部2年生の夏休み、近所のおばさんから「肩が痛くてしょうがないので、揉んで欲しい」と頼まれ、揉んであげたところ、大変に感謝され「ありがとう」と言われた言葉が、後に彼の進路を大きく左右する一言となりました。

東京の大学に進学した竹内さんは、1964年の東京パラリンピックで、ブラインド卓球の日本代表選手にも選ばれ、金メダルを獲得します。

教員資格を取って、地元の岡山の盲学校に赴任し、結婚もしましたが、そこからまた新たな試練に直面することとなります。この続きは明日の「こぼれ話」の欄で紹介させて頂きます。