「視覚障がい者の投票に求められるサポート」②

番組担当の塚本です。

衆議院選挙の投票日まで、あと4日です。

選挙権は18歳以上の国民に等しく与えられた権利です。

それは視覚障がいの方々にとっても、全く同じでなければなりません。

しかし、投票所に行くことが難しい方も中にはいらっしゃるでしょう。

投票所には行けても、候補者の名前を書くことが難しい方、そして点字もまだ使えない方もおられるかも知れません。

そうした方々には、どんなサポートが必要なのでしょうか。全日本視覚障害者協議会のメンバーで、視覚障がい者の政治参加問題などに詳しい田中章治さんに聞いてみました。

田中さんによりますと、現状では、以下の三項目を実現して欲しいと関係各機関に要望しています。

その三項目とは
1)在宅視覚障がい者に玄関先などで投票する移動式期日前投票と点字による郵便投票の実現
2)公職選挙法を改正し、点字版・録音版・大活字版を選挙公報として位置づけ、希望者には電子メールでも選挙情報を届ける事
3)最高裁判所裁判官国民審査における点字投票の改善
という三項目です。

先ず(1)の「点字による郵便投票の実現」についてですが、現在認められている郵便投票は、あくまでも有権者本人が候補者名を墨字で書かなければなりません。

墨字を書けない人は投票できない事になってしまいますが、選挙管理委員会の見解としては、点字による郵便投票では、筆跡などによって本人が書いたかどうか判断がつかないことを理由に、点字郵便投票を認めていません。

それならば、選管の係員が投票所に行けない視覚障がい者の自宅を訪ね、係員立会いの下に点字で投票させてもらえないかという要望を対案として提起しています。

しかし今のところこれらの要望は、実現に至っていないのが現状です。

明日は、二番目の要望項目である視覚障がい者のための選挙公報の改善について、取り上げます。