「ホームのどこを歩けばいいの?」②

番組担当の塚本です。

昨日に引き続き、「日本弱視者ネットワーク」のホームページ上に記載されている視覚障がい者の駅ホームでの安全な歩行に関する国会での質疑の論点を手短に紹介します。

この問題は、今年春、参議院国土交通委員会で何度か取り上げられています。

国会での質疑の論点は、主として、「駅のホームのどこに視覚障がい者の為の誘導ブロックを敷設すれば、より安全が保たれるのか」という点にありました。

現状では、多くの駅で、点字などの誘導ブロックは、ホームの端から80cmほどのところに、線路と並行に敷設されています。

この方式ですと、他の乗客を避けたり、駅の柱を避けようとして、視覚障がい者がホームに転落する危険性があるとの指摘があります。

それに代わる方式として、ホームの中央部に線路と平行して誘導ブロックを敷設する方が安全ではないかとの考え方も示されています。

今年春の国会質疑では、「政府の検討会で、ホーム中央の誘導ブロック敷設の有効性を確かめるための実証実験を行うべきではないか」との意見が4年前に上がっているにも関わらず、未だに実証実験が行われていない理由を質す声が出されています。

これに対して、国土交通省の答弁では、「ホーム中央部への誘導ブロック敷設については、視覚障がい者団体の中で、賛否が分かれている」などを理由に、実証実験を行うに至っていないことが明らかになりました。

賛否が分かれているにしても、実証実験を行ってもいいのではないかという印象を持ちますが、まだその段階には至っていません。

政府の検討会が年に一度のペースでしか開かれていない事にも、疑問の声が国会質疑では上がっていました。

日本弱視者ネットワークでは、この問題を含め、視覚障がい者の移動の安全を議論するための「ロービジョンキャスト」というラジオ番組の配信を始めました。

ホームページで、この番組を聞くことが出来ますので、お聞きになってみてはいかがでしょうか。