「視覚障がい者にとっての就労の節目④」

番組担当の塚本です。

今週は「日本弱視者ネットワーク」が開催したオンライン就労座談会の模様をかいつまんで紹介させていただいております。

今日はその最終回として、メーカーのエンジニアとして働いていながら、網膜剥離となり2年間の休職期間を経て復職した28歳の男性が、休職期間中にどんなことを心掛けていたのか、その期間に考えていたことなどを紹介いたします。

この男性は、先天性の緑内障で右眼は失明状態、左眼は視力0.1 視野狭窄ありという状態でした。

大学まで一般の学校に通い、メーカーに就職しましたが、入社してまもなく網膜剥離となり、十数回の手術を受けるなど、2年間の休職生活を余儀なくされました。

その時は、「何もかもが出来なくなった」という気持ちから退職も考えたそうです。

しかし休職期間中に「自分は何かを失ったのではなく、変化しただけではないのか」と「変化」という概念に気づき、方法を工夫すれば出来ることがたくさんあるのではないかと考えるようになったそうです。

それ以降、「とにかく外へ出る」「何でも試してみる」「職場で理解や合理的配慮を受けられなかった時の対処法をいくつか用意しておく」などの事を心掛け、2年間の休職期間を経て、現在は復職しています。

晴眼者と比べて仕事のスピードには限界があるかもしれないが、障がいをもって働くうえでのジレンマを乗り越えていきたいと話しています。