「わが国の視覚障害者の将来」報告書⑤

番組担当の塚本です。

今週は「日本視覚障害者団体連合」が令和2年に発表した「報告書」の内容をご紹介してきました。

今日は、昨日の盲学校の現状と課題に続いて、3歳児から5歳児の視覚障害の幼児に対する保育の現状と課題について触れます。

報告書によりますと、盲学校は各都道府県に1校しか設置されていないケースが多く、3歳児から5歳児の幼児を父母が送迎して通わせることが、物理的に困難なケースが多いという事です。

盲学校には幼稚部を設置することが出来るようになってはいますが、父母の間には、「幼児期には健常児と一緒の環境で育てたい」と考える傾向が強く、幼稚部を設置した盲学校でも、なかなか視覚障害の幼児が集まらないという現実があるようです。

特に幼児期の子どもの場合は、視力検査などで視力が弱いなどの検査結果が出ても、我が子に特別な支援が必要なのかどうかが分からない父母も多く、幼児期には専門的な支援につながらないケースが多いことも指摘されています。

こうした中で、京都ライトハウスでは、「あいあい教室」というクラスを設け、視覚に不安のある幼児を対象にした親子教室を開き、注目されていますが、こうした存在を全国的に広く知らしめて行く必要があるのではないかと、「報告書」は結んでいます。

視覚障害の幼児、子供に対する教育については、その現状がどうなっているか、私どもの番組としても取り上げていく必要があると考えています。